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「貸出至上主義者」度チェックβ版

ココログ


ほし2

カテゴリー「東北地方太平洋沖地震」の記事

2012/02/25

東海地区大学図書館協議会の研修会に登壇します

来る3月8日(木)に開催されます,東海地区大学図書館協議会の平成23年度第2回研修会にて,東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に関するお話をすることになりました。懇親会(二次会も)が予定されているとのことですので,研修会はもちろんのこと,懇親会・二次会等でみなさまにお会いできるのを楽しみにしています(^^;)。「このバカが何を話すんだか」ご興味をもたれました図書館関係者がいらっしゃいましたら,よろしくどうぞ。

2012/01/23

「本を選ぶ」「本を贈る」「本を待つ」ということ

本を送りません宣言 - saveMLAK
http://savemlak.jp/wiki/SendNoBooks


僕個人は,被災地に住んでいることもあるので,この宣言に対して賛同者に名を連ねることは遠慮しておきますが,これまでの経験と知識から,この宣言が言わんとしていることは充分に理解できます。

そもそも「本を選ぶ」「本を贈る」という行為は,少なくとも僕にとっては,実に「個人的な」行為なので,少なくとも特定の「誰か」ではない相手に対して(新古の別なく)本を選ぼうか,本を贈ろうか,という気持ちには,なかなかならないわけですよ。喜んでもらえる「本を待つ」誰かの顔が浮かばないと,本を選ぶこと自体が難しいから。
だから,先日ある機会に景品として僕が本を選んだら,上手くいかなかったわけですね。誰に当たるかわからなかったから,結果的に誰にもウケなかった,という。


古本を集めだすとコントロールが難しくなるのは,貸出至上主義者が非難して倦むところがない「全国ありがとう文庫」や「矢祭もったいない図書館」の事例を振り返れば明らかなんです(^^;)。とにかく,ちょっとしたきっかけで爆発的に集まるんですよ,あれは何故か。
で,貸出至上主義者たちが前例を非難してやまないものですから,図書館における「古本の収集と整理」事例の蓄積は,日本図書館協会にはもちろんのこと,日本図書館研究会にも図書館問題研究会にもない,というのが実情です。だから日図協は「古本を集めて被災地を支援する」ことは考えてもいないでしょうし,実行するだけのゆとりを持っていないでしょうが,それが結果として「怪我の功名」になってるのは皮肉なことです。


このように,何でもかんでも業界側の事象にひきつけて考えるのも如何なものかとは自分でも思いますよ。しかし,この宣言をめぐるあれこれを眺めていると,やっぱり公共図書館において「貸出至上主義」の罪は重いなあ,と思ってしまうのですよねえ(^^;)。

つまり「本を選ぶ」という行為は,相当にパーソナルな部分に軸足を置いているはずの行為なのですが,さすがに図書館という公共機関では,パーソナルな「思い」を行為に載せることは難しいときもあります。そのため,「本を選ぶ」ことからパーソナルな(あるいはインフォーマルな)部分を捨象するために,その代替として現在で言うところの「市場原理」(と彼らは表現していませんが,事実上新自由主義者が言うところの「市場原理」と変わるところはないでしょう)を持ち込んだのが貸出至上主義,具体的に言えば日本図書館研究会読書調査研究グループによる主張だったわけです。「市場原理」を導入することで,パーソナルからマスへ,本を選択する際の選択基準の質的な転換を図った,と考えられます。

この「マスへの転換」が今や,あらゆる場面で齟齬をきたし始めているわけですが,恐らく1990年代に一旦できあがってしまった「マスを対象にする」という(新しい)公共図書館のイメージは,そう簡単に払拭できるものでもなく,例えばある新刊本に対して予約が100人待ち,みたいな現象が肯定的な文脈でも否定的な文脈でも,公共図書館の日常的な風景として語られることになります。

僕の妄想だと片付けていただいて結構ですが,あるきっかけで殺到する古本,というのは,この「予約100人待ち」が語られる公共図書館のイメージの裏返しのような気がするのですね。古本にせよ予約にせよ,そこには「本を選ぶ」「本を待つ」ひとの,顔の見えるパーソナルなイメージは,どこにもないのです。


ですから「本を贈る」ことを希望する方には,いましばらくお待ちいただきたい。あなたが「本を選ぶ」「本を贈る」その先に,「本を待つ」誰かの顔が,あなたにはっきりとわかるようになるまで,待って欲しいのです。

2011/09/13

3月18日のこと

承前
9月前半は忙しくて,ずいぶんと間が開いてしまいました。

3月18日(金)になりました。

朝食は今日もナンドッグ。飽きたぞおい。
気を引き締めなおして出勤します。今日は外部の業者さんが入って力仕事と壊れた書架の応急修理の予定です。

例のごとく,職員Bに差配をお願いしようと思ったら「今日はちょっと無理です」体調が悪く,かなりしんどそう。無理のない範囲で仕事をお願いしたのですが,結局早退しなければならないほど悪化してしまい。帰宅することに。こんなときはどうしても無理を超えて働いてしまうので,反動も大きい。僕みたいないいかげんな奴は何とかなるけど,まじめなひとは上手に手抜きできるようにさせないといけないのに(嘆息)。中間管理職としては,もう少し上手に休息をとらせてあげられなかったのかという後悔はあります。

結局,僕と残った職員Cのふたりで,何とか業者さんに仕事してもらう段取りを作ります。職員Cは,このような経験があまりないので緊張気味(^^;)。「だいじょうぶですよ。あなたならできますから」と励ましながら,僕も段取りに穴がないかどうか点検してみます。

お昼頃,教え子がひとり「臨時だけど就職決まった」と連絡入ります。震災下でも否応なく日常が進んでいることを実感します。

午後1番で業者さん来館。屈強な方々です。早速,倒壊した書架の再建をお願いします。ボルトを締めなおしたり,解体再構築してもらったり,余った部材で壊れた箇所を補強していただいたり。その一方で積層書架から落下した書籍をとにもかくにも書架に積み上げてもらって書庫内に通路を確保する難作業をお願いします。さすがに力自慢なので,作業は早い早い。もちろん,いまは分類順などと贅沢を言っている余裕はありません。とにかく通路を作って,作業場所を確保するのが先決。3時にはお茶など出して労います。

午後4時すぎにはすべての作業が終わり。よかったよかった。倒壊した書架のかなりのものが使えなくなり,棚板と袖板が大量に余ります。さて,どうしたものか。

来週からは電話番ひとり出勤で,あとは自宅待機になりました。東京電力福島第一原子力発電所のことを考えると,いささか決断が遅かったような気がします・・・・・・。

帰路,職員Cを労いながら帰ろうとしたら,いらぬ誤解をさせてしまったようで,駐車場で立ち往生。あとで誤解は解けたものの,疲労で勘所が鈍くなっているところに,遠まわしなことを言った僕が悪かったと反省しました・・・・・・。

新しい機材を調達したいものもあるのですが,市内の家電量販店はこの時点で軒並み,まだ復旧してません。扱ってる品物が品物だけに,被害もひどかったことが想像されます。

今日までで,図書館の復旧には何とか,先が見えてきたような気になりました。


震災の記録作成はこの先も,ある程度続けるつもりですが,ここで一旦中断します。

2011/08/27

3月17日のこと

承前

3月17日(木)になりました。

この日は一段と冷え込む。僕はアパートがボロとはいえ健在だからまだしも,避難所にいる方々はこの寒さをしのぐのも大変なことだろうなあ,と落ち込む(嘆息)。

東京電力福島第一原子力発電所が事故って,あちらこちらで混乱が起きていたので,ついつい「東京さんは落ち着いて(^^;)!」「首都圏さんも落ち着いて(^^;)。」などとツイートしてみます。原発の60キロ圏内にいる身から見ると,首都圏(=安全地帯)在住でむやみに「リスク! リスク!」と騒ぎ立てる連中が浅ましく見えて仕方がありません(これは現在に至るまで同様)。

朝ごはんは例のナンドック。

昨日,日本図書館協会から送られてきたメールマガジンのあまりな内容に,さすがにがっかりして問い合わせのメールを送ってみます。実際には問い合わせどころか,詰問状みたいなものですが。日本図書館協会の施設会員は公共図書館しか存在しないのか,協会のエラい連中は安楽椅子に座して東北地方の図書館が壊滅したのを眺めているだけなのか,と。もちろん,返事が来るわけもありませんし,こちらも期待していませんで。実際,現在に至るまで日図協は,僕と勤務先にとっては何の役にもたってませんし。そもそも阪神・淡路大震災のときから日図協が災害の役に立った例はなく,現在は阪神・淡路大震災の経験者が中枢に座っているだろうに,この有様なのは,おそらく想像力が欠如している小役人の集まりなのだろう,とこちらが想像する(^^;)しかありませんね。

この忙しい時に,朝から余計なリソースを使ってしまって疲れましたわ。もっとも,この日は友人に指摘されたけど,疲れているから気が緩んで,相手構わず当り散らすようなツイートをしないように心がけなきゃいけないのです。心無い人がいるのは気にしませんが,相手を傷つけちゃいけない。

気を取り直して出勤。昨日で大規模な復旧作業は一段落して,今日は職員3人でできそうなところをコツコツとやります。具体的にどこをどう片付けたのか,この日はあまり記憶にないのが何とも(嘆息)。

この頃から,機器や什器の復旧のために担当者の派遣をお願いすると「こちらは震災と原発事故のため,自宅待機になっておりまして,待機が解け次第お伺いします」となるケースが増えてきました。確かに,普段通り出勤していた企業の方が少数派だったんじゃないでしょうか。まあ,僕などはこの頃,家にいてもやることはありませんが・・・・・・。

お昼は記憶なし。

ふと思い立って,図書館のツイッターに各大学の紀要の送付を一時停止してもらうよう,お願いを載せてみます。反響があったようでありがたかったです。その節はお世話になりましたm(_ _)m 10月には解除しますので,よろしくお願いします。

帰宅してまず風呂。まだシャワーが使えるまでは水圧が復旧していなかったんじゃないかな。取り敢えず,自宅から図書館のサイトを更新。事務室で使ってるパソコンは復旧の目処が立たず,他のパソコンにはサイト更新用の仕込みをしてなかったので,時々お持ち帰りで仕事をするために仕込んでおいた自宅のパソコンから更新するしかないという。やれやれ。ツイッターでお知らせした紀要の件を,公式サイトにも掲載。

夕食は何十年ぶりかの「サッポロ一番塩らーめん」ただし素ラーメンだったので,あまり美味しくできなかった。とツイッターでつぶやいたらみんなから「野菜を入れましょう」とご指導を賜る(^^;)。やれありがたや。他にハッシュタグ使うなら,ツイッターはwebじゃなくてTweenを使ったほうが,とか,片がついたら大盤振る舞いしなきゃならないなあ,とかいろいろと助言いただく。ただ,Tweenは結局使いこなせずEchofonに出戻ってしまいましたゴメンなさいm(_ _)m

賢弟が僕宛に救援物資を送ろうとして「手段が絶たれた」とがっかりしていたのは,この頃だったか。

この日の夜は,何度も強い余震がありましたね・・・・・・。

23時過ぎに就寝。

翌日に続く

2011/08/26

3月16日のこと(3)

承前

大波が来るように大人数が来て一気に片付けてくれたもので,皆が去った後の残された図書館員はボケラー(・o・)。ひとたび椅子に座ると,もう一度立ち上がることが難しいくらい疲れはてて解散。

帰宅して図書館のツイッターに今日の復旧状況を更新し,みなさんにご報告&御礼。実際,いくらお礼を申し上げても未だに言い足りたと感じることはないです・・・・・・。

この頃,民放は一般のCMをうてずにACのCMが垂れ流されていたようですが,僕はACが臓器移植法が制定されて以来,不倶戴天の敵。なのでACのCMが垂れ流されている民放など見る気にもならず,ずっとNHKのテレビとラジオで過ごしてます。テレビはともかく,ラジオはいつ頃まで寝るときも点けっぱなしだったのかな。

30年来のマーラーファンが震災にあって以来聴く気になれなかったマーラーを,ようやく聴く気になってかけたのがヴァーツラフ・ノイマンの旧全集(スプラフォン)から「復活」。これまではバッハ,ベートーヴェン,ブラームスのサイクルだったのが,何とか少しは持ちなおしてきたのかと。でも,この時点でシューベルトやモーツァルトは聴く気になれず。意外にもハードボイルド(^^;)。

風呂入って夕食をとって,webを巡回して知人友人の無事を確認したり,図書館の情報発信を確認したり。可笑しかったのは,この頃の僕の曜日の感覚が狂っていたようで,昨日も今日も職場で「今日は木曜日だよね」と訊いていたらしい(^^;)。実際はまだ今日の時点で水曜日です。

23時前に就寝。

もう少し続きます。

2011/08/25

3月16日のこと(2)

承前

さて出勤。いつもより30分ほど早めに出勤して,僕が使用しているパソコンが壊れているので手書きで館長宛に直訴状書きます。文案は昨晩と今朝,ほぼ頭の中で考えていたので,書きだすのは意外にスラスラ。15分ほどで書き上げると,その足で上司の部屋に向かいます。我が館長,毎日早出で研究時間を作ってる方なので,アポ無しで出かけて行っても間違いなくいるだろうと踏んでいたら,やっぱり既に出勤。挨拶もそこそこに直訴状を出して,とにもかくにも一度学内で「長」のつく連中が図書館の惨状を見に来てください,と訴えます。これ以上放っておかれたら,何より人間が先に壊れてしまう,と。「見捨てられた」ということで,肉体より先に精神が壊れてしまうのは何としても避けたい,と。応えて館長,
「わかった。何とかする。でも,これから先の見えない長期戦になるんだから,そんなに焦ることないぞ。」
ここ毎日,午前と午後と上層部で会議をやってるから,そこで計ってくれる由。ありがたいことです。

図書館に戻ると,昨日パニック起こしていた職員Cも,今日は無事に出勤してきています。Cに対しては,僕は今でも罪悪感で胸が張り裂けそうです(嘆息)。

午前中,ぼちぼち閲覧室に散らばった本を片付けていたら館長が会議から戻ってきて
「午後1時から手の空いている教職員が片付けに入ってくれることになったから,段取りを決めておいて」
いやーありがたい。

昼食は,事務室に電子レンジがあるのでセブンプレミアムのナンドッグを持ち込んでみます。避難所からもおすそ分けが届きますが,これがだんだんと減っています。市から回ってくる物資が減っているとのことで,やはり道路も鉄道も未だ回復せず,の感がひしひし。

職員が知恵を寄せ集めて復旧の段取りを作ったところへ,「手の空いている」教職員が集まってきましたが・・・・・・。こちらは10人も来てくれれば御の字だろう,と段取り組んでいたところに7,80人来ました(*_*)。まさかこれほど来るとは思わず,これにはさすがにこちらが驚いちゃって,却ってこちらがパニックに陥りそうに(^^;)段取りを大幅に変更する羽目になります。

おかげで,復旧工程のうち,1週間はかかるだろうと見込んでいた手順がわずか1時間で終了します。ただ,その復旧作業中にも大きな余震に襲われたのと,書架の損傷が予想以上に激しかったため,安全を考慮し書架に本を戻す作業および積層書架内の作業は,当面の間見合わせることに。

以下,本日の作業結果。

Img_1082

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参考図書の書架と,ウチでは「貴重庫」と呼んでいるロッカー。二段になっていたロッカーの上段で使用していたものは損傷が酷く,廃棄処分に。


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参考書架を別の角度から。


Img_1084

参考図書は取り敢えず,閲覧室の机の上に積み上げて保管。


Img_1086

3階閲覧室の楽譜。


Img_1091

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同じく,3階の紀要。ここは書架の損傷が激しく取り替えなければならない上に,後に4月の余震で積み上げた紀要が雪崩を打つという悲劇が待っています。


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取り敢えず,床に平積みにしてもらって,次の手を考えることにします。


Img_1095

ここまで実質2時間強で片付けていただいてしまいました。何と感謝したらいいのか(号泣

これで,大きな復旧は一旦中断を余儀なくされます・・・・・・。

続く

2011/08/22

「行蔵は我に存す,毀誉は他人の主張」

インターミッション(^^;)。

勝海舟が福沢諭吉から届けられた「瘠我慢の説」に対して,その返事に送った手紙の中の言葉です。タイトルに書いてしまえば,あとはもう何も書く必要はないんじゃないかと思われますが,それだけでは何ですので,少しぐだぐだと。

3月11日以来,何かと言えば僕はこの言葉を引き合いに出して,また頭の中でリフレインさせながら自らを励ましています。災害に対して,自らできることを精一杯実行すること。過ぎたことは悔やまず,今出来ることを全力でやるのみ。誰か他者の責任に転嫁すること無く,自らの行動に対する毀誉褒貶はすべて自らが引き受ける。どのみち,僕の言葉も行動もすべてのひとに通じるものではありませんから,その理念や行動が理解されなかったからといって,後悔する必要を感じません。何より勤務先の復旧に向けて,俯仰天地に愧じぬことをやってきましたから。言葉が通じなかった相手がいることは本当に残念ですが,それも仕方がないことです。

ただただ,自らの信じるところを以って,自らの力の及ぶ範囲で,自らできることをやるのみです。毀誉褒貶はあとから勝手に付いてくるものです。3月11日以来今日ここまで,罹災した僕と勤務先のためには,何の役にも立ってない日本図書館協会が後日,去る3月末に依頼した統計が提出されていないの何のと言ってきたところで,それこそ「行蔵は我に存す,毀誉は他人の主張」と返答するのみです(^^;)。


これ,文章化しているから,とても肩に力が入っているように感じられるかもしれませんが,ナニ当人は至って無邪気に「やりたいようにやるだけだよー」「疲れたからひと休みするよー」「とやかく言われても知ったことじゃないよー」とやってるだけですので(^^;)。御気遣いなく。

ついでながら,僕はかれこれ30年以上,佐幕勤王関係なく勝海舟に敬意を表しています。若い頃は履歴書の「尊敬する人物」に勝を挙げていたくらいで。今次震災の非常時に,上司と交渉する必要に迫られたとき,どれだけ勝小吉,海舟親子のことを考えたことか。おかげでずいぶん,助けられたところがありました。

読書は無駄になりませぬ(^^;)。

2011/08/21

3月16日のこと(1)

承前

3月16日(水)になりました。

今日も目覚ましなしで午前6時前に起床。例によって朝食の準備は簡単なので,端末を朝から立ち上げてついったーでひとしきりぶつぶつと。我ながら,そんなに変なことは書いてないと思うので,今回はほぼそのまま,無編集で転記してみますか。


昨晩の件。僕もかなりテンパッてる感じがしますが(^^;),ハッシュタグを知ることが出来ずに「無事」をツイートを,やっとの思いでツイッターに上げている,被災した図書館関係者のツイートを拾いあげてください。自分が無視されていない,と感じられることがどれだけ勇気づけられることか。

未曽有の災害ですから,情報量が多いのはわかります。でも,それを捌いて欲しい。非公式RTよりも,無事を伝える被災した図書館関係者のツイートを拾いあげて欲しい。「誇り」がどうたらなんて議論している暇があるんだから。

何度も言いますが,被災地にいま必要なのは議論や評論ではありません。被災地からの発信をいかに被災しなかった方々が拾い上げ,みんなあなたを見ているよ,あなたは無視されていないよ,という気持ちを伝えることができるか,なんですよ。

不足している物資も届かない,情報も届きにくい中で,被災しなかった方々が被災地に伝えられるのは,何より形になった「気持ち」なんです。誰もみんなを見捨てない,頭ではわかっていても,それが形として見えなければ,被災したひとたちは不安になるんです。

僕自身,これまで自然災害の際にいろいろなことをやってきましたが,今回は自分が罹災してしまい,挙句に勤務先のパソコンが壊れてしまい,何とか足くらいは出そうと努力してますが,自分のことを発信するのが精一杯です。それすら「ハッシュタグがない」で拾われない。

自分がこれまでやってきたことが,もちろんすべて正しい訳じゃありませんが,とにかく被害が出た図書館の情報を収集するときは,大学も公共も館種など無関係にやってきました。普段の行きがかりはありますが,災害時にそんなことにこだわっている奴は地獄に落ちていい。

話が逸れそうなのでもとに戻します。とにかく,被災しなかったみなさんに被災地に届けて欲しいのは「誇り」じゃなくて,「安心」であり「見捨てていない」という気持ちです。

図書館員です,情報収集のプロフェッショナルです。でも,誰も完璧じゃありません。そんなことはわかっています。ただ,「誇り」などと得意げに作業しているように見えるところから,自分の「無事」が漏れてしまう,それで「誇り」等と言われても,虚しいだけです。

僕は自分の為に何かをやっているわけじゃありません。僕より大変な目に遭っている,多くの図書館関係者に力を与えてください。誰にそれができるんですか。僕はそれをやりたくても,いまできません。悔しいけど悔しいけど,自分の身を支えるだけで精一杯です。

再度お願いです。ハッシュタグの存在を知ることも出来ないまま「無事」を伝える図書館関係者の声を優先して拾ってください。それが被災しなかった図書館関係者の方々が,被災地の関係者に届けられる「希望」の形です。能書きはいい,見える形を示してください。お願いします。

東北地方太平洋沖地震に遭遇して以来,ツイッターで@とばしていただけたみなさんには,どれだけ感謝しても感謝しきれません。本当に本当にありがとうございます。自分が無視されていない見捨てられていない,って思えるだけでも,どれだけ支えになっているか。

メールなどで安否を問い合せてくれたみなさんにも,ほんとに本当に感謝しています。なかなかレスポンスもできませんが,とにかく生きています。原発だろうが余震だろうが物資不足だろうが,とにかく切り抜けてしのいで生き抜きます。

すみません,僕のことはもういいので(汗,「無事」を発信することも出来ずに黙々と避難所等で作業している図書館関係者の無事を願ってくださいませm(_ _)m 本当に本当にありがとうございますm(_ _)mm(_ _)m

しかし,朝からよくもまあ,これだけのことをエラそうに書いたものです(嘆息)。根が怒り駆動型の上,いい加減テンパっていたのと,昨日(3月15日)の諸々(職員Cのことや館長以外の部長級の役職者が誰も図書館を確認しに来ないこと)による感情が一気に噴き出したのが原因でしょうか。

どうやら,この一連のツイートが原因で僕のついったーのフォローを外されたり,ブロックされたりした方もいらっしゃったようです(正確に調べたわけでもないので詳細は不明ですが)。それはもう「行蔵は我に存す,毀誉は他人の主張」ですから仕方がありません。言い訳はしませんし,何より,自分に恥じるようなことを上記のツイートには何ひとつ書いてないわけですので。

水道の水の出は,昨日よりもよくなってきたようです。ただ,シャワーや台所の湯沸かし器や洗濯はまだまだダメなようです。衣服はまだありますが・・・・・・。

さて,出勤しますよ。

続く。

2011/08/20

3月15日のこと(2)

承前

帰宅して,避難所からおすそわけをいただいた物資など使って夕食の準備。そこへケータイに,13日に仙台で一献傾ける予定だった多賀城の教え子からメールが入ります。ああ,無事だったんですよ(sigh)。うれしくてうれしくて,しばらくボロボロ泣いてました・・・・・・。

気を取り直して夕ご飯。メインは某スーパーが自社ブランドで出している「ナンドッグ」。13日に大量に購入してこの週,これを1日1回は食べていますから,あとで飽きちゃってキツカッたのですが,それは後の話。

夕食後にメーラー立ち上げて確認してみると,この大震災の最中に「公共図書館における指定管理者導入反対」が云々,というメールが飛び交うMLがあって。確かに震災で直接罹災した地域以外には日常があるとは言え,こちらがその日の食料にも事欠きかねない有様なときに,いささか無神経なんじゃあないかと被災した身は思ってしまうわけで。特に15日の晩は,ひっきりなしに余震に襲われていましたし。

腐っても図書館員,あちらこちらから断続的に来る連絡や問い合わせに,いろいろと調べて返事を返すわけですが,さすがにいろいろと抜けが目立ちます。交通手段について,仙台空港や鉄道が大きな被害を受けていて利用できないため,代替手段を探すのですが,庄内空港や山形空港,新潟空港の存在そのものが頭から飛んでいて,Google利用するのも一苦労という。ましてや地域のバス会社の名前は,旅したことのある地域でもなかなか思い出せない始末。

カミさんに今日の無事を伝えて,3日で3キロ体重が落ちたよ,と言ったら「でも,その痩せ方はリバウンドするんだよねー」ですと。実際,今やそのとおりになったので腸が煮えくり返るわ(^^;)。

自分でついったに記録した「『元科学技術庁長官』と言われて,山東昭子がにっこり笑ってガイガーカウンター,という噂を思い出した件」って何だったんだろう? 恐らく,テレビかラジオに「元科学技術庁長官」が出演していたんじゃないかと思うけど・・・・・・。山東昭子がどうたら,というのはこのひとが科学技術庁長官だったときに,何でも原発立地に出かけて挨拶した際,ほらこんなに放射線の値が低いんですよとにっこり笑ってガイガーカウンターを取り出して云々,という話があったらしいのですね。

この晩,何度か目の余震のあとで,あちらこちらの無事を確認していたら,トゥギャッター使って東日本大震災における図書館の罹災状況をまとめているものを発見します。これ,ひとしきり眺めていたら妙なことに気がついたんですね。
「これ,僕に限らず図書館関係者が自分の無事を伝えるツイートを全然拾ってないじゃん」
「図書館や関係者による発信でも,ハッシュタグを使ってないツイートがまったく拾われていないじゃないか」
愕然としましたよね。たかがハッシュタグのために,被災した図書館関係者がようやく上げている「無事」の声が広く行き伝わらないとはどういうことだと。誰もがハッシュタグを知っているわけでもないし,簡単に打ち込めるわけでもあるまいに,そんなものに頼って情報の収集と提供をしたつもりになっているとは。

さすがにがっかりして,捨て台詞をついったに残して不貞寝です。明日,出勤して以降の行動を考えながら・・・・・・。


3月16日に続く。

2011/08/18

3月15日のこと(1)

承前)ちと間があきましたが再開。

3月15日(火)になります。

このところ,朝6時前後には目が覚めます。朝食の準備に時間がかからないので(手間ひまかけるほどの食材がない),朝から端末立ち上げてツイッターなど。ふと気がつくと,風呂場からチョロチョロと水の音が! 風呂の蓋をとったら,何と濁った水ではありますが風呂に水が溜まっているじゃないですか。小躍りして,早速風呂を沸かします。いやー(^^;)。汗を流せれば取り敢えず何とかなりそうな気候だったので,これはうれしい。
ひょっとして,と思ってトイレのレバーをひねったら,どうやら何とかなりそうな勢い(^^;)。台所はまあまあ。シャワーはまだダメ。

朝ごはんはヨーグルトひとつ。

風呂をつかって,ツイッターで友人たちの無事を確認した後で出勤します。昨日の避難所当番割り当てで,職員BとCが朝から避難所に詰めているので,僕はみんなが戻ってくるまでの間,留守番でNHKのUstreamなど見ながら待機です。この日はたまたま東京電力が朝から記者会見をやっていて,そのグズグズぶりに憤慨しながら待機していたら,職員Cが泣きながら事務室に戻ってきたのです・・・・・・。


・・・・・・ここで交わしたやりとりは,ほぼ覚えているのですが,素敵なひとの名誉を守りたいので,ごめんなさいね。


職員Cを自宅へ帰して,なお待機,というより東京電力福島第一原子力発電所の状況がNHKのUstreamを見ていてもひどいのがわかったので,とにもかくにも現状で使えるweb資源とラジオを総動員して発電所の情報収集に務めます。結局,職員Bが避難所の当番が終わって戻ってきたものの,午前中はまったく復旧のための作業が進まない有様に。非常時の上に非常時が重なってしまったので,それは仕方がありません。

お昼前に,建物の上にある看板(学校の宣伝用ですね)の安全性を確認しに出入りの業者さんが来ます。ふと窓の外を見ると,このあたりを走っている路線バスがトロトロと走っているのが見えます。この路線バスを見て
「あ,日常が生きているんだなあ,よかったよかった」
と少し安心しましたよ,真面目な話。

お昼は,また避難所からのおすそ分けがありましたが,取り敢えずインスタントの焼きそば。

午後は職員Bが「作業していたほうが気がまぎれますから」というので,取り敢えず入り口から2階の閲覧室への道を確保するように,そこここで本棚から散らばった本を平積みにしてスペースを作る作業など。2時ちょっと前に大きな余震があってヒヤヒヤしながら。ひと息ついて,そういえば,とあちらこちらの倒壊現場をデジタルカメラで撮影して回ります。図書館棟の1階には昔の衣装を着た等身大の人形を収める展示スペースがあるのですが,ここの壁には大きな亀裂が入り,人形はほとんどが倒壊しています。これは記録写真がありますが,場所の管轄が図書館事務室ではないので,公開はしませんあしからず。

確か用度課が呼んでくれた業者さんの屈強なお兄さんが4人来て,ひっくり返った書架や雑誌架を取り敢えず立てなおしてくれたのはこの日のはずなんですが,何時ごろ来たかまったく思い出せないという。

さてそろそろ退勤準備かな,と思ったところへ架電。避難所の手伝いを僕にお願いできないかという。「自分のことで手一杯で,とても他人まで支えきれませんので」と,かなり強い口調で断りを入れた記憶があります。この時点で,恐らくは過去に半径5メートル以内にいたことのあるひとのことしか考えられなくなっていたんじゃないでしょうか。いま振り返っても,疲労困憊が限界に達していたんじゃないかと。

そうそう,この日まで勤務先の部長級は図書館長を除いて,誰も図書館内部を確認しに来ていないのです。

退勤します。ですが,この日は退勤したあとも,いろいろとあるのですねえ(嘆息)。


続く。

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