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ココログ


ほし2

カテゴリー「文化・芸術」の記事

2014/11/12

「須賀敦子の世界展」

第16回図書館総合展に参加するため,11月7日に横浜まで行ってきました。そのことは機会があればまた書くことにしまして,今日はその翌日のことを少し書きましょう。

11月8日(土)の午前中,神奈川近代文学館で開催中の「須賀敦子の世界展」を観て来ました。

遅咲きの「知る人ぞ知る」翻訳家・エッセイストから,名文家として広く名前が知られるようになって,さあこれからというときに病に倒れた方でした。翻訳を除き,生前出た本は5冊だけだったんですね。

これは遺族の協力なくしてはできない,そんな展示で,とにかく筆まめだったという須賀敦子さんの書簡がこれでもかと並べられています。知的で読みやすい筆跡でしたが,何しろそれぞれの便箋にびっしり書いてあって(絵葉書の中には収まらなくて,脇の方に書き足して文章の読み順に番号を振ってあるものがありました),これを読んでいたら時間がいくらあっても足りない。書簡集は河出書房新社から出ている『須賀敦子全集』の第8巻に収められているのですが,近い将来補巻が必要になるのではないかしら。

これだけのものを並べるだけでも大変な努力が必要だったでしょう。僕の足でも拝観時間が1時間を超えました。内容以前に,まずはこれだけの展示を見せていただいたことに感謝なのです。

面白かったのは,須賀さんが早い頃からワープロやパソコンで作品を書いていたという話。その原稿が収められているというフロッピーディスクの展示があって,3.5インチどころかペラペラの8インチフロッピイが展示してあるのw そんな時代なんですね。

須賀さんの文章は読みやすいのですが,わかりやすくはないのですね。扱ってる内容のパースペクティブが広大で,読む側にもそれなりの知識が必要になってくる,という。目の前にあるもの/ことだけではなく,その膨大な背景を見通せるだけの素養がないと,本当のところを理解するのは難しいのだろうなあ,と思わせます。

「ぶれない」文章を書く方でした。一生に一度でいいから,須賀さんのような硬質で芯の通ったぶれない,であるにもかかわらずとんがったところを感じさせず読み手の頭のなかにすっと入ってくる,そんな文章を書くのが目標です。どこまでも遠い,遠すぎる目標ですが。

これから須賀敦子さんを読もうと思う方には若き日の読書体験を通じて本の魅力を解読するエッセイ集『遠い朝の本たち」をお勧めします。ちくま文庫に入ってますので,お求めやすいです。文庫版でも出ている『須賀敦子全集』だと第4巻に書評集『本に読まれて』(単体では中公文庫)とともに収められていますが,初出が筑摩書房なので。

相変わらず,嫌いなもの駄目なものについては豊富な語彙を駆使できるのに,好きなもの大切なものについては,使える言葉が少なくて,何を書いても陳腐な表現になってしまいそうです。陳腐な表現は使うまいと,須賀さんなら推敲を徹底したものでしょうに……。書籍化するために,初出雑誌のコピーに本人があちこち手を入れたものが残されており,それも展示されていました。

11月24日(月)までです。お時間のある方は是非おいでくださいませ。
https://www.kanabun.or.jp/te0173.html

2006/11/30

実相寺監督死去

 毎日新聞【訃報:実相寺昭雄さん 69歳 死去=映画監督
 読売新聞【「ウルトラマン」演出、実相寺昭雄さん死去
 産経新聞【「ウルトラマン」に「帝都物語」 映画監督の実相寺昭雄氏死去

 いや,もう,何て言ったらいいのかわかりません(ToT).特撮関係,「ウルトラセブン」の「狙われた街」「第四惑星の悪夢」「円盤が来た」が大好きな(特に「狙われた街」の下町テイストがたまらない)だけじゃなく,鉄道マニア実相寺昭雄の自伝風鉄道エッセイ(玉電に王電ね)も大好きでした.
 何だか,今年の2月24日に死去した佐々木守の後を追ったような気がしてなりません.残念です.

2006/07/15

近衛秀麿

近衛秀麿
近衛秀麿
posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.15
大野 芳著
講談社 (2006.5)
通常2-3日以内に発送します。

 今日のBGMでも取り上げた(と言うより,これを読んだから録音を聴きたくなった),世界的な名声を博した名指揮者にして日本のオーケストラ草創期の立役者であった子爵・近衛秀麿(1898-1973)の,恐らく初めての一般向けの評伝である.親族・関係者へのインタビューや初出資料を駆使し,一世の快男児・近衛秀麿の肖像を余すところ無く描き切った,とは残念ながら言えないものの,一世の快男児たる所以の輪郭はある程度掴める労作だろう.
 税込み1995円という安価も魅力だが,多少価格が上がってもいいから近衛の「演奏会記録」と「ディスコグラフィ」が巻末にでも付いてればなおよかったのだが,それが付いて無いことが惜しまれる.

 時代を追って書かれているので,見通しのいいことが何よりである.著者が入れ込んでいるためか,強烈な個性派であった近衛のひととなりに対しては,かなり肯定的に書き込まれているようだ.山田耕筰,有馬大五郎,斎藤秀雄という,同じく強烈な個性を持った戦前戦後の日本楽壇の大立者とことごとく衝突したことも,この本を読んでいる限りでは近衛の側に非が無いかのように読める(なお,斎藤秀雄とは人間関係よりも「指揮」にまつわる音楽観の違いが問題だったのだろうか.斎藤は1973年11月18日に催された近衛の追悼演奏会で1曲だけだが新日フィルを振っている.斎藤の死はそれから1年もたたない1974年9月18日のことである).

 その艶福家ぶりをも正面から書いたことも含めて,大変な労作であることは間違いない本書だが,読み続けていてちょっと落ち着かなかったところもある.どうやら本書の著者が,クラシック音楽自体までには知識が行き届いていないところがあるためかもしれない.例えばマーラーの交響曲普及に関する箇所(15頁)など,音楽には素人の僕でも「?」と思える記述がある.
 細かいことだが,秀麿の兄,近衛文麿の次男の名前が一貫して「道隆」になっているけど,彼の名は「通隆」じゃなかったかしら?

2005/10/02

檸檬

 【日々記―へっぽこライブラリアンの日常―: 丸善京都河原町店の閉店と檸檬】で紹介されていた朝日新聞の記事【閉店惜しみ置きレモン 小説「檸檬」ゆかりの京都・丸善】がasahi.comに上がっていました.檸檬が入った籠の写真もあります(^^;).
 近所に住んでいたら,間違いなくG.C.W.氏も檸檬を置きに行っているでしょう.

 ところで,G.C.W.氏もMIZUKIさん同様,「檸檬」と言われれば,お茶の水の聖橋から電車に向かって(違)檸檬を投げる歌を思い出す方で,今日まで梶井基次郎(1901-1932)の「檸檬」は読んだことがありませんでした.それじゃあと,今日も休日出勤でヒマだったのを幸い,書架から筑摩書房の『現代日本文学全集』第43巻というのを引っ張り出してみました.すると「檸檬」は3段組3ページほどの掌編だったので,お茶の時間に読み始めたのですが,これが思ったより難儀で(>_<).さすが大正文学の誉れ高き名作なだけのことはある,と感心してみたり.何とかお茶の時間内に読み終わらせることが出来ましたが,どうも読むのが20年は遅かったようです(sigh).

2004/11/23

文化の「経営」

 北海道新聞【札響の取り組み紹介 文化の経営考える 東京でフォーラム】読書日記のobaさんが参加されたフォーラムの記事ですね.記事に曰く「札響の累積赤字を解消するために経営問題の先送り体質を改め、ミニコンサートで市民との“距離感”も縮めていった取り組みなどを紹介」耳が痛い(-_-;).obaさんがおっしゃるように「実際に動くのは現場なのだけれど、現場が動けるような舞台を作ることは、上に立つ者の責任」ってのはその通りだと思います.こちらも一応「上司」の端くれではあるが,問題を先送りにしたいわけではないものの,問題を解決するための人材が質的にも量的にも決定的に不足しているのが,勤務先の現状.
 でも,こちらの問題は「出来ることから手をつける」なんて悠長なことは言っていられない.そうこうしているうちにも,お客は今そこにいるわけだから.何とか,目前にある問題を片付けて片付けて片付けて・・・,何とか,抜本的な問題の解決にこぎつけねば.

2004/08/01

明和電機,公立美術館での初個展

中国新聞【「明和電機」の11年追う 広島市現代美術館】

うわーお(^o^)/.明和電機,好きだったんですよね.何しろ「ツクバ」だし(^^;).Sonyから離れて,お兄さんが抜けて,だんだん関心が薄れて今は何をやっているのかもよく知らなかったんですけど,どっこい健在だったんですね.広島市現代美術館で10月11日までか<<広島では無理.
展覧会の概要はこちらで.うわ,コスプレや楽器演奏までできるのか.せめてポスター欲しい.

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