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2013/07/08

「キッチュ論」ノート(その2)

「キッチュが何故支持されるのか」というテーマにおいて,「群衆」を考えることは重要な要素であろう。以下,『群衆-モンスターの誕生』(今村仁司著/筑摩書房/1996年1月発行/ちくま新書56)を補助線に据えながら,思ったことどもをつらつらと。

乱暴に要約してしまうと,「群衆とは集団や組織の類型ではなく,ひとつの“傾向”なのである」という。その傾向はいくつもの集団を横断する「情念の均質化」を伴い,均質化に同調しない他者の排除や差別がそこに起こる。

また,均質化された群衆は指導者を群集の中から生み出す。今村は

「指導者という第三項をおのれの内部からたたきだして,それを媒介にしないでは「自己」同一性を確認できないのが情念の共同体なのである」(前掲書p188)

と述べているが,ここで僕は,今村が指摘していないもうひとつの指導者への傾倒の理由を持ちだしてもいいのではないかと考えている。平井正が『ゲッペルス-メディア時代の政治宣伝』(中央公論社/1991年6月/中公新書1025)で指摘する「救済者願望」である。群衆の「意思」は,指導者への情念と行動に対する同一化願望にとどまらず,指導者による「救済」への期待があるのではないだろうか。虚構・まがいものとしてのキッチュが付け入る隙はそこにある。

即ち,キッチュが空虚であればあるほど,指導者が描く虚構の「物語」(それは指導者と群衆の中では「神話」なのだ)をそこに投影し,群衆と指導者の一体化と,他者の排除・差別のための道具としてキッチュが活性化されていき,救済者願望は昂進して行くのである。ゲッベルスの言葉は,第二次大戦末期の断末魔において,救済者願望が現実を切断(「切断」もキッチュを判断する際に,大きな要素となる。そのことはまた後日触れる)してしまい,指導者との一体化は妄想の域に達した,ほとんどうわごとと化していた。


問題は,この「情念の均質化」と「救済者願望」,そしてそれらに基づく排除の構造が,キッチュに反対する側にも往々にして感じられることなのだよね。フランクリン・ローズヴェルトはヒューイ・ロングと戦うにあたって,自らもファシズムに堕してしまったのではないかとの疑念を後世抱かれることになったが,ローズヴェルトほどの政治家にして「目的は手段を神聖にする」誘惑には抗い難かったわけで,ましてや我々はどうなのか。キッチュに対抗するのに,結果的に自らがキッチュに陥ってはいないのか。「情念の均質化」を求めてはいないのかどうか,いま一度立ち止まって考えなければならないのではないか。

相手は目の前の「キッチュ」だけではないのである。キッチュを支持する群衆のことを考えなければならないのだ。


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