3月14日のこと(1)
(承前)
朝一番で水が出るかどうか確認。出ないのでがっかりしながら,バウムクーヘンの残りとペットボトルで朝食を摂ります。簡単な朝食の後はやることもないので,ツイッターを立ち上げ,勤務先が被災したことを発信してみます。まあ,うだうだと考えていても仕方がないので,エイヤッと出勤。この頃の勤務先は,全員出勤という指示が出ています。図書館は,職員Aが交通手段を絶たれてしまって首都圏の親族のもとに身を寄せているため,僕とB,Cの3人でしばらくの間,復旧作業に取り組むことになります。幸い,建物自体は数年前に耐震補強工事を完了していたので倒壊することはなく,
出勤してびっくりしたのは,実は水が出たこと。数年前に掘りあてた地下水脈が,この非常時に役に立ったということです。これは,自宅に残る水がなくなったら,しばらくはこれでしのげるかも。とにかく,しっちゃかめっちゃかになった事務室に自分の居場所を確保しなきゃならんので,まずは事務室の復旧整理からとりかかります。あいにく事務室の記録写真は残ってないのですが,事務室の書架は揺れの方向と90度逆を向いていたために,本は落ちたものの書架そのものは健在だったのが助かりました。
壁から落ちていたホワイトボードを椅子の上に載せて,注意事項を書き出します。字が下手で本当に申し訳ない。
このボードは翌日(3月15日)の撮影ですが,14日に書いたままのものです・・・・・・。
以下は14日の朝の10時前後に撮影した,勤務先の被災状況です。
これは楽譜の棚。手前に見えるのは倒壊したスチール書架ですね。
こちらは他大学の研究紀要が収められていた書架。地震の揺れと方向が同じだったためか,ほぼすべて落ちています。
外国書が収められていた書架。
文学(NDC908)あたり。
いわゆる「大型本」の書架。震災当日,このあたりに来館者がいなかったことに感謝するしかありません。
NHKラジオ第一をつけて,震災と東京電力福島第一原子力発電所の被災状況に留意しながら,復旧作業を進めます。困ったことに僕が勤務先で使用していたデスクトップが机上から落ちてしまい,どうも生死不明な様子。仕方がないので,職員Cが普段は使ってるデスクトップを借り受けて,勤務先の情報発信にこれ務めます。
と,そこへ原発が爆発したらしい,との情報が入ったのが11時過ぎのこと。これでみんなが動揺してしまい,作業が一時中断を余儀なくされます。僕は「ここまできて,もうじたばたしても始まりゃしない。腹は括ったわさ」と腹の中でひとりごちながら,NHK総合の画像を転送しているUstreamを眺めていました。
そうこうしているうちにお昼になります。構内に避難所が設けられているので,そこから食料の配給がこちらにも回ってきます。震災で交通は途絶してしまい,市内のコンビニ,スーパーにはモノがない状態でしたので,これは助かります。僕も何とか,カップラーメンを2,3個先日のうちに確保してはいたのですが。確か,菓子パンや苺味の食パンなどだったような記憶があります。いま思えば,この食事もメモを取っておけばよかったんですよねえ。いまや,僕たちも東京電力福島第一原子力発電所のために問診票を書かなければならないのですから(憮然)。
続く。
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