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「貸出至上主義者」度チェックβ版

ココログ


ほし2

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2010年9月の記事

2010/09/26

某大学図書館見学記

 先週,とある用事で訪問した某大学の図書館見学記。

 とにかくこの大学の建物は,地場産の建材をふんだんに使用したもので,そこかしこでいまだに建材の香りがただよっています。あの木の香り,気持ちが落ち着くんですよねえ(^^;)。

 この大学の図書館は巨大な階段教室のような4階建て(一部5階)の施設。書架の脇にある階段を上がっていくと,そこに閲覧スペースがあって机と椅子が置いてあり,また書架があって上って行くと,を繰り返して4階に壁一面の書架がありました。すべて造り付け。階段を上がらずに1階を直進すると,そこも閲覧スペースで椅子と机が設置してあります。印刷された雑誌はあまり排架していないのか,雑誌架の丈が低かったことが印象に残ってます。電子ジャーナルの購入状況などは聞いてきませんでしたが,さて。
 とにかく天井が高く,また1階から4階に渡してある飾りの柱が継ぎ目の無い,地場産建材の1本柱であることに仰天しました。

 蔵書数は,洋書が64000冊,というのは伺いましたが,和書は「洋書に比べて少ないんです」との由。新着図書に内藤湖南全集があったのが目立っていたように思えたのは,文系人間の性ですかね(^^;)。書架に空きがかなり残ってますので,あと4,5万冊はいけるのではないかと。閉架書庫もあるようですが,今回は案内されませんでした。次の機会に!

 難点は,照明が全体的に暗かったことですね。ふと気がつくと,すべて間接照明なのです。館内の照明も,閲覧机の照明も。当日の天気が悪かった(昼間はかなり強い雨が降りました)を差し引いても,これは如何なものかと(^^;)。そういえば,やはり建築関係の賞をもらった某大学の図書館が,これまたすべて間接照明でどうたらこうたら,という噂を聞いたことがありますが・・・・・・。


 個人的には,「優れた建築」イコール「優れた図書館建築」ではない,というところが問題。つまり,図書館建築として優れている建築,というのは原広司言うところの「均質空間」に他ならないのですが,すぐれた建築というのは往々にして均質ではない空間を作り出す建築,であるわけです。言い方を変えると,使い手によって初めて主張を生み出す空間ではなく,作り手によって予め主張が繰り出されている空間があることが,すぐれた建築として評価される点のひとつであろうと。それはつまり,使い手によってアレンジすることへの許容範囲が非常に狭いことを意味するのではないかと思うのです。機能が年月を経るごとに変化することへの対応が求められる図書館建築において,アレンジの幅が予め限定されていることは,すなわち「使い勝手の悪さ」に直結するのではないでしょうか?

ツクバに行って来ました

(9月29日写真追加と一部追記)

 久し振りに,ツクバに行って来ました。

ラーニング・コモンジャーのブログ  おーびー訪問?
http://tsukubalc.blog6.fc2.com/blog-entry-76.html

「訪問」というよりは,なんの気なしに行こうと思ったら,お誘いがかかったようなもので(^^;),これ幸いと一昨年のホームカミングデー以来の母校(厳密に言えば母校は吸収合併で消滅しているので,その後身ということですが,面倒なので以下母校としますね)へと相成りました。

 当日のプロデュースをしてくれたラーコモの学生諸君,「初ツクバ」という某大学某学部図書館の方と筑波大学中央図書館へ。考えてみたら卒業以来,2,3度外から眺めて入るものの足を踏み入れてなかったかもしれない大学中央図書館は,ここで学外実習をやった思い出の(?)場所でもあるわけですが,一昨年より耐震補強工事とともに内装を改装工事中で,以前新聞用の書見台が並んでいたところには,いまやスターバックスがあるのです(^^;)。

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 カウンターで学外利用の手続きをするべく,図書館員さんに書類を出してもらって名前を書き込んでいたら
「あのー,○○先輩ですか?」
「そうだよー(^^;)」
「お久しぶりです,楽器やってた旧姓○○です」
学生時代,某部活動で一緒だった後輩でした。旧姓を名乗ってもらったあと,改めて顔を見て思い出した次第(最初に見たときに思い出さなきゃダメじゃん>>自分)。
 
 館内は,以前に比べて随分と明るくなりましたね。

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よく見ると,雑誌架ではなく普通の書架に新着雑誌が並んでいる(^^;)。

 あちらこちらに耐震補強のダンパーが入っているのが,そういえば勤務先もそうだったなあ,と。ひとが通るところにもダンパーが据えてあるのですが,角に丸みを帯びた板を押してあるのが工夫されているところです。

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また,以前は原色っぽいサインで各階を識別していたのがパステルになっているとか,階段脇のクッションが置いてあったスペースが集団学習用のスペースになっているとか,いろいろ細かいところに変更が加えられています。

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自動貸出機が何台も館内にあるのが目を惹きます。

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 大学中央図書館の後は,お昼ごはん(美味しいパスタ!)→つくば市立中央図書館(この日は実に混み合っていました。主にこどもとその親が多数)→国土地理院→筑波大学春日キャンパスと移動し,春日キャンパスの図書館を見学。この棚は学生時代にはならんでいなかったよな(^^;)とか。蔵書が随分増えたものです。

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 卒業して20年以上経ち,その間数えるほどしかツクバを訪問していないため,改めて自分が利用した大学図書館の変わった姿を拝見して,新鮮さと郷愁がないまぜになった,不思議な気分になりましたよ(^^;)。

 夕方より僕と,某大学某学部図書館の方がラーコモでちょっとしたお話と,質疑応答をしました。あまりこういうことを言うのも何ですが,普段相手にしている学生に比べて,さすがに問題意識の質と方向が明らかに違うわけで,やはり「話し甲斐」があるよなあ,と後輩たちを頼もしく思ったことでありますよ。

 話をする機会を与えていただいたみなさまに感謝です。ありがとうございましたm(_ _)m
 なお,当日ラーコモで話した内容については,おいおい公開する予定があるようですので,しばらくお待ちを。


おまけ。同窓会の記念樹ですが,すでに三代目だったような記憶が(^^;)。

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2010/09/06

「U40 - Future Librarian 2010」仙台会場に参加します

 すでに各地既報となっておりますが,

U40 - Future Librarian 2010
http://futurelibrarian.g.hatena.ne.jp/

今年も9月17日(金)午後7時から各地で一斉に開催されます。
実は私,碌な仕事もせずに事務局に1枚噛んでいたりする(^^;)のですが,今年は仙台会場に参加します。
2010-08-21 - 東北会場(仙台)/クマガイの日誌。 - U40 - Future Librarian 2010
http://futurelibrarian.g.hatena.ne.jp/nachume/20100821

日頃,あちらこちらで壁を感じている,図書館に関わる若い方々の参加をお待ちしています。いま現在,図書館(館種問わず)にお勤めしていない方でもOKです。

東北の図書館に「新しい風」を吹かせましょう(^o^)/


・・・・・・で,U40事務局では,U40の活動に賛同してくださる方からのご寄付を募っております。詳しくはこちら。

今年もご寄付を受け付けております(追加訂正再掲) - U40 - Future Librarian 2010
http://futurelibrarian.g.hatena.ne.jp/wackunnpapa/20100901/1283344242
今年は収支がいささか・・・・・・。

2010/09/04

「貸出しをしっかりやる」ことで岡崎市立中央図書館の悲劇と喜劇は回避できたのか

 単刀直入に申し上げます。甲南大学文学部図書館学研究室が発行する「談論風発」に立て籠る方々と,その論調にシンパシーを感じる方々にお伺いいたします。

「貸出しをしっかりやる」ことで岡崎市立中央図書館の悲劇と喜劇は回避できたのでしょうか?

このblogのコメント欄でも,あなたのblogのエントリーでも結構ですので,是非お答えください。よろしくお願いします。

2010/09/02

図書館政策の転回点(この機会を逃したら本当の終わり)

 2010年という年が,日本の図書館業界において,長く記憶に留められる1年になったことは間違いないでしょう。それは日本図書館協会による「認定司書制度」の正式な発足,岡崎市立中央図書館(あるいは三菱電機インフォメーションシステムズ〈MDIS〉)事件(参考。杉谷智宏さんによる労作です),そして高知県立図書館と高知市立図書館の「合築」問題(参考1参考2)によってである,と僕は見ます。この3つの「事件」は,1970年代より今日にいたるまで日本の国家レベルにおける図書館政策の不在,そして図書館業界(そのナショナルセンターであるところの日本図書館協会と,その有力な構成要素である公共図書館系団体である日本図書館研究会図書館問題研究会を中心とする)が推し進めてきた,『市民の図書館』(初版1970年,増補版1976年)というひとつの不磨の大典政策文書に基づく,公共図書館運動の最終的な帰結と破綻を,業界に携わるあらゆる分野のひとが理解できる形で示しています。特に岡崎事件では,このために冤罪被害者まで出してしまう事態に陥ったことについて,まず被害者に謝罪しなければなりません。そして冤罪被害者を出してしまった図書館活動を,あらゆる面から検証し問題点を洗い出し改善すべきところを改善し,図書館業界の失われた信頼を取り戻すことが可能になるであろう図書館政策を打ち出す必要があります。

 今年の「事件」を図書館政策,もしくはその「行き詰まり」から考えたときに見える問題点は,図書館司書による「貸出し」を専門職としての司書におけるあらゆる業務の基本に据えてきた,専門職としての司書を認めさせるための『市民の図書館』の理想としたユートピアに基づく方法論(いわゆる「貸出至上主義」です)が,最終的に否定され崩壊したということが明らかになったということです。1970年代・80年代に図書館司書に求められていた専門職としての技術や手腕は,2010年代に求められているそれとは明らかに異なってきています。70年代・80年代の幸せな成功体験が今や足かせになって,『市民の図書館』を役目を終えた歴史的な政策文書であると捉えることができず,新たな政策文書を提示できないばかりか,『市民の図書館』をバイブルとみなすような人物が日図協の理事長に就いているのが業界の現状です。

 例えば岡崎事件では,岡崎市立中央図書館のサイト【http://www.libra.okazaki.aichi.jp/】【http://www.library.okazaki.aichi.jp/tosho/index.asp】やサポーターのサイト【http://www.libra-sc.jp/】を見ると,実に華やかな図書館活動が展開されていることがよくわかります。そこにはウェブサイトの造作なども含めて,図書館活動としてお手本とすべき点が多々見られます。しかし,斯様に図書館活動が活発で,かつウェブサイトも手際よく利活用している公共図書館が,自ら有している知識を提供するための基盤となる図書館システムとウェブ環境を整備することには無頓着,もしくは不注意であったということ,そのために地域住民に冤罪被害者まで出す事態に陥り,そのことを未だに正しく認識できない状況下にあることは,「貸出し」から出発する専門職論では恐らく解決することのできない,公共図書館と図書館司書の「謎」だと思われても不思議ではないでしょう。この「謎」は,その図書館活動が1970年代から『市民の図書館』で打ち出された政策の延長線にある一方,図書館システムやウェブ環境の整備は,1970年代には想像もできない技術の発達が現在の基盤となっていることに求めることができそうです。

 『市民の図書館』が世に送り出された1970年代と現代の図書館で大きく異なる点は,図書館システムが図書館業界の思惑や理想と関係なく,もはや図書館における整備すべき重要な基盤になってしまっていることです。しかし,『市民の図書館』の影響下にあり続ける「貸出し」から始まる専門職論は現在にいたるまで,図書館運動や図書館活動に比べて目録作成を含めた図書館の基盤整備,ウェブを含めたITの基盤整備を軽視しています。これは業界人において「図書館活動」と「図書館の基盤整備」の,専門職業務としての認知のレベルに断絶があるということを意味しています。本来は基盤の整備なくして,豊かな活動などありえないはずなのですが・・・・・・。

 ここまで岡崎のみならず『市民の図書館』の影響下にある業界人の方法論に,技術的な基盤に対する知識も認識も不十分であったことについて述べてきましたが,こと岡崎市立中央図書館に関する限り,「貸出し」から始まる専門職としての業務に対する倫理感が行き渡っていたかどうか,についても疑義がもたれる状況が発生しています。例えば朝日新聞にて岡崎事件に関する詳細な調査報道記事を執筆した神田大介記者によるツイート【http://twitter.com/kanda_daisuke/status/21720327555】【http://twitter.com/kanda_daisuke/status/21720442492】が伝えるように。僕は業界団体の内規以上の意義を社会的に現状では持ち得ない「図書館の自由」を不磨の大典か錦の御旗のように振り回すことには同調しませんが,あれだけ図書館活動がさかんに見える公共図書館で,令状なしに個人情報が警察権力に提供されたというのは,業界人ならずとも釈然としないのではないでしょうか。

 さらに,これだけ岡崎事件に関する情報が流通してしまっているにもかかわらず,【岡崎市立中央図書館のホームページへの大量アクセスによる障害について】が図書館名で公表されたことは,正直なところ火に油を注ぐ結果になっています。これでは,岡崎事件が一個の岡崎市立中央図書館にとどまらず,すべての館種を含めた図書館業界そのものへの信用に関わる事態に発展することを危惧します。ウェブでの議論を見ていると,その危惧は半ば現実のものとなっているようですが,日図協のメールマガジンが朝日新聞の神田記者執筆記事を黙殺していることからも明らかなように,図書館業界のお偉方には恐らくその危機感は皆無なのでしょう。ついでに申し上げておきますが,岡崎市立中央図書館の「釈明」は公共図書館の信用のみならず,地方自治体の行政組織そのものに対する不信の種になりつつあることが【http://b.hatena.ne.jp/entry/www.library.okazaki.aichi.jp/tosho/about/files/20100901.html】に寄せられたコメント見れば一目瞭然なのですが,あくまでも公共図書館の直営護持にこだわる(岡崎の場合,カウンターが業務委託であるらしいことは関係ない)お偉方は,図書館政策の不在もしくは行き詰まりを顧みないばかりか,岡崎市立中央図書館における行政組織の機能不全をも同時に黙殺するおつもりでしょうか?

 現状,「貸出し」から始まる専門職としての図書館司書には欠陥,とまで言わなくとも現状の役割に対して知識の偏在があります。ではこの偏在を改善するために図書館業界は,どのような思想に基づいて,どのような政策を打ち出し,どのような取り組みを展開していけば,よりよい方向に発展性を見出し,専門職としての図書館司書を現在求められている,あるいは求められるように市民に感じさせる存在に近づけるのでしょうか。
 それを探し出し,きちんとした形で提示し実現することが,岡崎事件で失われた図書館業界の信用の回復につながるのです・・・・・・。

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