心を音に載せるテクニック・・・・・・
ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」@オトマール・スウィトナー/NHK交響楽団(キング:KICC3079)
1986年12月12日,NHKホールでのライヴ録音。当日のプロは「田園」と「運命」の二本立てで,それがこのCDにそっくり収められている。
スウィトナーのスタジオ録音は,これはライヴかと思えるほど熱気がこもっていて,それが却って一本調子に陥ったり,暑苦しく息苦しい演奏になりがちなところがある。しかし,このライヴは余計な肩の力が抜けているようで,安定した,それでいて音楽が生き生きとしている好演に仕上がっている。
またN響がN響らしからぬ(失礼)いい音とアンサンブルでスウィトナーに応えているのが,なるほどスウィトナーは,日本では聴衆からもオケからも愛された指揮者だったのだな,と,1978年あたりからラジオやテレビでスウィトナーとサヴァリッシュがN響を振ったときの好演を聴いてきた身として,改めて感じ入る次第。ただ,スウィトナーの指揮姿は意外に格好悪くて(^^;),ベルリンの壁崩壊後,バトンテクニックが原因で西側のオケで活躍できなかったという噂があったことをも,ちと苦い思いとともに思い出す(sigh)。
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