開いてしまったパンドラの箱に「希望」はいたのか
ショスタコーヴィチ/絃楽四重奏曲第15番変ホ短調作品144@エマーソン四重奏団(DG:POCG-10280/10284)
1994年7月・8月の録音。
ロシアの四重奏団の演奏に比べて,いわゆる「西側」の四重奏団による演奏は線が細いように感じられることが多い。エマーソン四重奏団の録音もセンシティヴなところはよく表現されているが,表現の振幅が若干狭いように聴こえる。曲によってはもう少し掘り下げられる余地があるよな,と思うが,その中でこの15番は,さすがに最後の絃楽四重奏ということで,全6楽章すべてが悲痛な叫びを上げているようなアダージョと言う異形の音楽を,時には弓が絃を噛むほどの力演で表現している。
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