「事業仕分け」雑感
今回行われた「事業仕分け」の結果から見えてきたものの一端は,この「事業仕分け」のバックボーンである「小泉構造改革」以来の新自由主義における,知識あるいは教養に対する侮蔑的な眼差しです.これは反知性主義,と評して差し支えないと考えるのですが,「事業仕分け」における高等教育の切捨てと義務教育の優遇は,思考が停止している馬鹿な新聞が書いている「日教組の影響」などという生易しいものではないですね(^^;).高等教育や先端技術開発への「事業仕分け」の結果からは,国民に期待されているのは「知識と教養とリテラシー」ではなく,「国家に従順な思考ができる単純労働者」という,新自由主義者の志向が見て取れませんか? それは本来,民主党政権下で思考停止に陥っている某紙(^^;)が,自民党政権下で推し進めていた方向と合致するはずなのですが.
それはさておき,この反知性主義が如何にムラ社会の閉塞感に有効であるかは,世論調査で「74%が仕分けを「評価する」と回答」したという毎日新聞の報道からも明らかですが,要するに「小泉構造改革」における劇場型政治の別ヴァージョンを見せられているだけです.不思議なことに,もっとも被害を蒙る層がもっとも支持するという,ポピュリズムのパラドックスがここでも発動しているのではないかと.
ところで,「事業仕分け」の成功で勢いづくであろう新自由主義者と,それにお墨付きを与えている財務省官僚による反知性主義の行き着く先は,ひょっとするとクメール・ルージュによるインテリゲンチャ抹殺であるかもしれません.さて,どうしたものだか.
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