ベートーヴェン/交響曲第9番
ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調作品125@セルジュ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル(EMI:TOCE-55045)
1989年3月の録音.
バス独唱はペーター・リカ(Peter Lika).テノールが妙に苦しいなあ,と思ったらジークフリート・イェルザレムでさもありなんと.チェリビダッケは1970年代のあるインタビューで「ベートーヴェンのエロイカや第9は終楽章が失敗作なので振らない」と豪語していたはずなのだが,何故かEMIから出たミュンヘン・フィルとのライヴ録音ではベートーヴェンの交響曲全曲が揃うという不思議(^^;).もちろん,チェリビダッケは周囲の雑音など気にも留めない,いつものチェリビダッケで,柔らかめのアクセントを利かせながらの,晩年の様式である遅いテンポ.第1楽章の停めの音が柔らかく「フッ」という感じで終わるのも,如何にもである.しかし,何もかもを包み込むような柔らかさを醸し出しながら,実はすべてを拒絶して独歩の世界を築いているのが,この指揮者の流儀か.
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