サリエリ/セレナーデ変ロ長調
サリエリ/セレナーデ変ロ長調@イル・グルッポ・ディ・ローマ(アーツ:47319-2)
1991年4月の録音.
アントニオ・サリエリ(1750-1825)はご存知「アマデウス」におけるモーツァルトの敵役として脚光を浴びてしまった,イタリア生まれの作曲家.1788年からはヴィーンの宮廷楽長も務めた,当時成功した歌劇の作曲家(43曲も書いたとか)のひとりであり,ベートーヴェンの師匠のひとりでもあるのだが,死後200年近く経った今ではモーツァルトやベートーヴェンの影に隠れっぱなしで,その作品が顧みられる機会は,生前の名声に比していささか少ない.
この作品は1778年ごろ,当時流行していた管楽合奏「ハルモニームジーク」のために作曲されたらしいもの.オーボエ,クラリネット,ファゴット,ホルン各2本に絃バスという編成による.明るく肩の凝らない,なかなかユーモアに富んだ佳品である.同時代人の同種作品と比較して過小評価する向きもあるようだが,これは「セレナード」なのであって,当時において「やり過ぎ」なのは明らかにアマデウスの方(^^;).サリエリが当代の受容には適っていたであろうことを忘れてはならないだろう.
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