ヴィヴァルディ/フルート協奏曲作品10の4
ヴィヴァルディ/フルート協奏曲ト長調作品10の4@セヴェリーノ・ガッツェローニ&ドナート・レンツェッティ/RTSI管絃楽団(エルミタージュ:ERM 130-2)
1983年1月13日の録音.
ガッツェローニ(1919-1992)はイタリアのフルート奏者.確か柴田南雄がその著書で音の大きさと華やかな演奏について触れていたことがあったかと記憶する.30年にわたってRAIのオケの主席フルート奏者を務め,またイタリアをはじめとする現代音楽の作曲家から数々の作品を献呈されている.教え子にはジャズ・プレイヤーのエリック・ドルフィーがいるとか.現代音楽の果敢な紹介者のひとりで,このCDにも収録されているエドガー・ヴァレーズの「密度21.5」や福島和夫の「エカーグラ」などを盛んに演奏している.一方でこのCDで過半を占める古典の作品もよく取り上げている.
この演奏,どこからどこまでも明るい華やかな演奏.モダーン楽器のオケはまったく鈍重だが(ベートーヴェンでも演奏しているんじゃないかという,引きずるようなレガートだ(^^;)),ガッツェローニのフルートはどこまでも明るく華やかで,陰影なんざくそくらえという,ヴィヴァルディに相応しい(?)カラッとした演奏に仕上がっている.
・・・・・・それにしても,何でガッツェローニの輸入盤CDが近所のブックオフに250円で棚に並んでいたんだ? 恐らくは既に忘れられて久しい演奏家だと思うのに.CDコレクターとしては,ちといたたまれない気持ちにもなるのだが・・・・・・.
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