尾高尚忠/チェロ協奏曲
尾高尚忠/チェロ協奏曲作品20@岩崎洸&若杉弘/日本フィル(EMI/タワーレコード:QIAG-50031/50032)
1971年7月23日の録音.
1944年の作品で,チェリストの倉田高(1913-1945)のために書かれたもの.尾高尚忠(1911-1951)と倉田は妻が姉妹で義兄弟になる(ちなみにふたりの妻である尾高節子,倉田陽子の姉が女優の長岡輝子である).戦後の混乱の中で倉田も尾高も早世してしまい,この作品をふたりは録音はおろか演奏もほとんどできなかったのではあるまいか.
作品は,尾高の絶筆になったフルート協奏曲と似た,(貴志康一のヴァイオリン協奏曲とは異なり)日本的な音階を前面に押し出して使っているわけでもないのに何となく日本の音楽のような趣きを醸し出す音楽.しかし,フルート協奏曲に比べると長大で(この録音で演奏時間が38分ほど)より劇的である.日本育ちのチェリストは是非レパートリーにして欲しい.
演奏はこの大作の魅力を伝えて過不足無い.岩崎のチェロ,若杉の指揮ともどもエネルギッシュで清新さに溢れている.
« ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 | トップページ | ブラームス/チェロ・ソナタ第2番 »
「今日のBGM」カテゴリの記事
- 「わかりやすさ」とは(2010.07.06)
- 玲瓏な(2010.07.04)
- アマデウスの影(2010.06.30)
- 心を音に載せるテクニック・・・・・・(2010.06.29)
- インテルメッツォ(2010.06.26)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント