ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61@ヤッシャ・ハイフェッツ&アルトゥール・ロジンスキ/フィルハーモニック・シンフォニー・オーケストラ(ミュージック&アーツ:CD-1101(2))
1945年1月14日の録音.オケはNYPですかね?
しかし,ハイフェッツ(1901-1987)も音楽の内面というものを峻拒し続けた演奏家で,そのあたりの方法論というか解釈の在り様というのはカラヤンやヴラディミール・ホロヴィッツと同様だったんじゃないかなあ,と,このあまりにも屹立したテクニックの凄絶さを聴く度に思う.ハイフェッツやホロヴィッツは,そのあまりなテクニックのおかげで他を寄せ付けぬ存在になりえたわけだけど,指揮者カラヤンの場合は如何にテクニックが隔絶していようとも,他者が天衣無縫にカラヤンと同じ音楽上の効果を達成してしまう(しかも得てして他者は音楽の内面の表現に優れている!)が故に,政治力まで動員して(若くして死んだカンテルリやフリッチャイの録音はカラヤンが死ぬまで限られたものだけが流通していたし,ヨッフムやマルケヴィチはDGを放逐されたし)自らの芸術を誇示し続けなければならなかったのであろうか.
それはさておきハイフェッツのベートーヴェン.スタジオ録音ではトスカニーニと録音したものがあったけど,ほとんど変わらないように聴こえる.「完璧」という以外に形容する言葉が無いほど完璧なヴァイオリン.オケにトスカニーニの強すぎるアクは無いが,それはトスカニーニのアクが強すぎるのであって(^^;),いまの耳にはロジンスキだって充分,アクが強かろう.とにかく,剛直な棒である.
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