ブラームス/ヴァイオリン協奏曲
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77@ヨゼフ・シゲティ&ヘルベルト・メンゲス@ロンドン交響楽団(フィリップス:PHCP-9600)
1959年3月の録音.
太宰治が「孤高狷介」と評したという大ヴァイオリニスト,シゲティ(1892-1973)の残した,鬼気迫るステレオ録音.ハイフェッツのように技巧を売りにしていたわけではないにせよ,既に技巧が衰えていたと思しきシゲティのヴァイオリンは痛々しいほど.普通のヴァイオリニストが弾いていたのであれば,斯様に音がかすれ,リズムも音程も怪しい演奏を商品にできるわけがない(^^;)と言わざるを得ない.この演奏を必要以上に崇め奉り,神格化することもないが,そこで奏でられている音楽をどう捉えるか,聴き手が試されるような録音ではある.
指揮者のメンゲス(1902-1972)はいろいろな協奏曲の録音で伴奏を務めることの多かったひと.ここでもシゲティを支えて,少々没個性ではあるが,立派な音楽をつむぎ出している.
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