ヤナーチェク/シンフォニエッタ
ヤナーチェク/シンフォニエッタ@ジョージ・セル/クリーヴランド管絃楽団(CBSソニー:CSCR 8211)
1965年10月15日の録音.
このCDは,ソニークラシカルがまだCBSソニーの名乗りを捨てていない,消費税が3%だった頃に入手したもの.確か1990年だったと思う.カップリングがバルトークの「管絃楽のための協奏曲」なのは,現行の国内盤と同じ.
セルの演奏は速めのテンポで,あまりタメやシナを作らない,楷書で書かれた書のようの印象を受けるものが多い.ところがここでは若干遅めのテンポで,しかもあちこちでテンポを細かく動かし,じっくりとしかし熱く共感を語るが如く音楽を進めているのが珍しい.そしてセルらしい精緻なフレージングとアンサンブルで,見事な音の構築を聴かせる.
惜しむらくは楷書よろしく,精密すぎるほど精密なセルのいつものフレージングが,ヤナーチェクの破天荒な音楽が持つ魅力を減じてしまっているところ.整理整頓が行き届いたアンサンブルがセルの持ち味でありこそすれ,破天荒を破天荒として原石のまま放り出すのはセルの任ではないが.
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