ショスタコーヴィチ/交響曲第15番
ショスタコーヴィチ/交響曲第15番イ長調作品141@ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管絃楽団(BMG:BVCC-38300)
1972年10月4日と5日の録音.
我が尊敬おくあたわざる先達のひとり柴田南雄が「作曲家の心情とは無関係にハッピーな音を鳴らしている」と批判した録音だが,いま聴くとその評価は不当であると言わざるを得ない.ここに聴けるフィラデルフィアのアンサンブルはよく練り上げられており,多分に虚飾を排したオーマンディの解釈が,フィラデルフィアの暖かで虚無的には聴こえない音をクローズアップする結果になったのが誤解の因であろう(地獄の釜の蓋を開けたような深遠を聴かせるザンデルリンクあたりを聴きこんでいると,物足りなく感じることはあるだろうが).それとも,当時のオーマンディ≒俗悪,という日本の楽壇における悪宣伝に,さすがの柴田も耳が曇ったのであろうか.
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