シューマン/交響的練習曲
シューマン/交響的練習曲作品13@エリー・ナイ(コロッセウム:COL 9025-12.2)
1962年の録音.
第二次大戦前のドイツで「ベートーヴェン弾き」として一世を風靡したピアニスト,エリー・ナイ(1882-1968)が晩年に残した一連の録音から,シューマンのピアノ曲でも難曲のひとつ「交響的練習曲」である.シューマンが初版の出版の際に省いた5つの変奏曲は,最後にまとめて演奏されている.
御年80歳になんなんとするピアニストの演奏だが,陰影に富んだ情感たっぷりの演奏で,なかなか小粋な雰囲気に仕上がっている.スケール感にも不足していない.例の長い長いフィナーレは,さすがに少々ギクシャクした弾き方になってはいるが,小節を弾ききれずに落としてしまうコルトーのようなことはなく,ちょっとアクが強い弾きっぷりだな,と思わせる程度のところに収まっている.見事なものである.
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