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2009/04/29

「予約」

 図書館業務のひとつとしての「予約」については,あまり面白くない記憶がまとわりついている.
 
 何時頃のことだったか,もう定かな記憶が無いけど,何かの拍子に何処かで「予約」について,増加するのはあまり好ましくない,といった意味のことを書いたんだと思う.そうしたら,実に感情的な猛反発を日図研だったか,図問研だったかでアクティブに活動している業界人から食らったことがある.何しろ感情的なものだったので,いったい「予約」の何処に,業界人をアツくする要素があるんだか,と不思議に思ったが,それ以来,僕は「予約」否定の急先鋒になった次第(^^;).それまでは,ある程度「予約」の数が増えるのは,それほど図書館に期待している「利用者」が多いのだよな,という感じで見ていたものの,他館からの相互貸借まで「予約」の数に入れるのは感覚的に奇妙な感じがしていたこともあって,「予約」数が増えることが「好い図書館運営」の指標になっているのは如何なものか,と疑問を呈したら,酷い目に遭ったわけ.まあ確かに,Webcatにて「本 予約」というキーワードで検索をかけると,「伊藤昭治」と「森崎震二」という名前がたちどころに出現するわけで,今となってはそうですか信仰なんですか,と当時の自らの無知を呪ってみたりもするところだが(^^;).

 信心深い方々の話はさておき,僕は「予約」という業務は必要だけど過大評価は避けるべき,というスタンス.必要悪,と評してもいいんじゃないかと考えている.「予約」が多い,ということをある種の業界人たちのように「好い図書館運営」の指標として捉えるのは,問題のすり替えじゃないかと思う.具体的な数値目標まで設定して「予約率の向上!」を謳っていた文章もあったかに記憶しているけど,何かがおかしい.極端な話,蔵書が1冊しかない図書館なら予約率は幾らでも上げられるでしょうが.と書いて思い当たったのは,「予約」にスポットライトを当てるやり口は予算減に悩む図書館における苦肉の策なのか,というところだけど,「予約」が脚光を浴びたのは(体感的な)バブル経済の絶頂期においてであり(森崎著が1993年の出版),やはり『市民の図書館』による高度経済成長にのっかった公共図書館伸張路線(貸出至上主義)の一環にあった政策だったと捉えるのが妥当だろう.拡大路線の終わりとともに,貸出至上主義の肥大化した信仰の残骸として「予約」が残った,というところなんだろうか.

 コントロールできない「予約」業務,というのは明らかに貸出至上主義の破綻が招いたサービスの行き詰まりである.最終的には貸出至上主義の解体的検証を通して,内容に対して何らかの見直しと再定義が必要になってくるのだろう.

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コメント

こんばんわ。私が勤めているのは大学図書館ですけど、その昔、公共図書館をよく利用していた時の怒りがふつふつとまた湧いてきてしまう記事でした。
利用者は、いつまでも羊のように列をなして待っていると公共図書館の方は思っているみたいだけど、いったい誰の為の図書館なんでしょう?
いつもいつもいつも思うのは、図書館の事務室にいる人たちは、大学であろうと、公共であろうと、利用者なんか目に入ってないんだ、という事実です。あっ大図の中にいる方でしたね、すみましぇん。

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