ブルックナー/交響曲第4番
ブルックナー/交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(1874年稿)@ケント・ナガノ/バイエルン国立管絃楽団(ソニー:88697368812)
2007年9月17日の録音.
ブルックナーと必ずしも相性がいいとは思えないケント・ナガノによる第4番だが,これは成功しているのでは,と思う.その理由のひとつは,バイエルン国立歌劇場のオケを起用していることで,何となくブルックナーらしい(?)音がしている.そしていまひとつの理由として,ナガノがここで1874年稿という,ところどころに裂け目のあるような,場面転換の連続でできあがっているテキストを採用していることがあげられるだろう.ナガノは分析的な解釈の棒を振ることで他の追随を許さない指揮者だが,ともすると音楽が流れずに渋滞を引き起こしたり,音楽がブロックとブロックの衝突じみた様相を呈するのだが,ここではテキスト自体が渋滞したり,休符や突然の強奏で楽想が転換したりする構造になっているものだから,ナガノの分析的な解釈がすんなりと受け入れられることになっている.
それにしても,どこで締めくくりがついているんだかわからない,不思議な音楽をスマートにねじ伏せてしまうナガノの能力は,さすがと言うべきだろうな.
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