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2009/03/02

同床異夢

 去る2月15日に開催された「大阪国際児童文学館と府立図書館を考える集い」の資料群を,id:hana53さんのご好意で入手しました(hana53さんありがとうございました).先日で肉体労働もひと段落したところで,いただいた資料をためつすがめつしていましたが.

 結論から言ってしまえば,児童文学館の存続運動は府立図書館の市場化テスト(指定管理者委託の導入)問題とは別個の問題であり,これらは切り離して論じた方が,お互いの問題解決のためでもあると思わざるをえません.児童文学館の価値は府立図書館とは関係なく成立しているものですし,府立図書館の問題に触れずとも児童文学館の存続運動は可能です.ましてや配布された資料群のような形で府立図書館の問題を絡めたのでは,却って児童文学館存続への支持が減りはしないかと心配になってしまいます.

 というのも,資料群の中にある図書館問題研究会大阪支部の作成した資料が,教育行政からも文化財行政からも図書館行政からもおおよそかけはなれた,ヴィジョンもミッションも明確ではない既得権益護持を目的とした労働運動の産物であり,内容が「指定管理者」(=民業)を貶めるだけの拙劣なプロパガンダ(デマゴギーと言ってもいい)に堕しているからです.そもそも指定管理者の導入は「民営化」ではありません(国際児童文学館 寄贈者・関係者等と知事との意見交換会 発言要約によれば,橋下も「民営化」と言っているようですが).他の点についても,既に愚智提衡而立治之至也: 官尊民卑に弄ばれる「図書館の自由」で「官尊民卑」について述べているところなので,細々したところは一々繰り返しません.今回の件で言えば,例えば「大阪国際児童文学館と大阪府立図書館を考える集い」(2009.2.15)報告(1) - 帰ってきたハナログでhana53さんが紹介している,児童文学館へ鳥越氏の資料が引き取られるきっかけとなったらしい大阪府教育長の巧言令色ひとつとっても,公務員が公務員であるだけで無謬であるとは考えにくいところへ,指定管理者(=民業)を貶めるだけ(しかもどれひとつ取っても具体性に全く欠ける指摘ばかり)の資料を持ち出しても,彼らが期待するような効果があるとは思えないのですが.

 あるいは,やはりhana53さんにご紹介いただいた「トヨタ営業所で『お奨めの車ありまっか』と聞いて『日産エエですよ』とは言わないでしょう」という発言.そもそも公共図書館の指定管理者を引き受けるような企業・団体がそんなことを公共図書館という場所で公然とやれば,恐らくその企業・団体は来館者からも自治体の担当者からも信用を失うでしょうし,そのような企業・団体は淘汰されてしかるべきです.もしそのような行為を繰り返す企業・団体が何らかの力により淘汰されないのであれば,それはルールを定めている行政の失態であり,その場合企業・団体ともども信用を失うのは,ルールを運用している公務員だろうと思うのですが.そして,公共図書館においてトヨタと日産の比喩で想定される企業は出版流通関係の企業ではないかと考えられるのですが,出版流通業界は以前から児童文学館の維持に,公共図書館業界よりも遙かに貢献してきた業界であり,児童文学館の存続を考える場において,その業界を平然と揶揄できる政治的センス(リテラシーと言ってあげましょうか?)の欠如には恐れ入るばかりです.

 そもそも公共図書館における「資料」が書籍という形で成立するは,出版流通業界という「民業」によるところが大きいはずですし,公共図書館の来館者の過半は「民業」を生業とする人間とその家族じゃないかと思うのですが,資料群を作成した図問研大阪支部にはその程度の想像力を働かせるだけの能力も欠如しているんでしょうか? ついでにいえば,児童文学館の新規増加資料の多数は出版者の寄贈によるものであり,その出版者はほとんどが民業でしょう.そのような背景に想像力が働かないのであるならば,彼らには公共図書館に勤務するだけの経綸が不足しているのではないでしょうか.民業を謗ることで保身することのみを目的としている連中には,市場化テストにより公共図書館から退場してもらったほうがマシです.

 僕個人としては,大阪府立国際児童文学館を維持する運動の目的が,必ずしも大阪府立図書館の市場化テスト導入反対と目的を一にする必要がないと思われる現状では,両者を切り離して考えた方がいいと思います.ましてや府立図書館の市場化テスト反対に便乗して公務員の既得権益護持をはかり,民業への誹謗を繰り替えし,ひいては児童文学館の運営に多大の寄与をもたらしてきた出版者(=民業)を貶める行為をやめない連中とは,児童文学館の維持に知力体力を集中させるためにも手を切るべきです.


 手厳しい? まさか(^^;).

3月3日追記:
 先日書き落としていた件.【市場化テスト反対 国際児童文学館の機能移転シンポ - 大阪日日新聞】この記事に出て来た


さらに塩見氏は、市場化テストの導入で図書館が民営化していくことを危惧(きぐ)。管理者が一定期間で変わったり、営利優先でサービスが切り捨てられる可能性を指摘し、「営利が望めず、蓄積されてきたノウハウが必要な図書館に民営化はなじまない」と断じた。
という発言ですが,横浜市とか大阪府とか一部の例外を除くと,多くの公共図書館が3年から5年周期,長くて10年程度で公務員を配置転換しているわけで,一方で「蓄積されたノウハウが必要」と言っておきながら,他方ではスペシャリストを排斥しゼネラリストで成り立つ公務員制度を温存しようとする,彼らの採用する戦術の何処に一貫性があると言うのですかね.それもまた,専門職制をグラウンドデザインやミッションの問題ではなく,労働問題の一環としてしか捉えてこなかった(捉えることができなかった)公共図書館業界における戦略眼の欠如が,巡り巡って後世にツケを払わせる結果をもたらしていると思うのです.

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コメント

「トヨタ営業所で『お奨めの車ありまっか』と聞いて『日産エエですよ』とは言わないでしょう」という発言のことですが、これは出版界を揶揄したものではなく、図書館界の相互協力のことを意味しているのではないでしょうか?

図書館は自館の資料で利用者の要求に応えられなかった場合、相互協力という形で他館から借り受けて提供したり、紹介したりしていますが、これが自館の貸出冊数・入館者数などの形で厳しく「業績」を問われるようになったとしたら、「お探しの本は○○図書館にありますよ」と別の図書館を勧めることができにくくなり、結果として利用者満足本位から離れていくという意味ではないかと思います。

>>ハチ さん

コメントありがとうございました.お返事が遅くなってごめんなさい.

その発言を目にしたときに,ひらめいたのはTRCと丸善を傘下に収めた大日本印刷のことだったんですよね.で,例えばTRCが指定管理者として入っている公共図書館で,丸善が出版した/販売した以外の本を薦めることが出来るのか,と問いかけられた,と読んだわけです.

しかし,ハチさんがおっしゃるようなことも考えられるわけで,例えばTRCが指定管理者として入っている公共図書館からの相互利用業務を,大新東が入っている公共図書館が拒否するということ(その逆も同様)が倫理的には勿論,制度的に可能なのかもしれない,ということは考えておいたほうがいいのかもしれません.
個人的には,公共図書館に関する限り,そのような指定管理者は長い年月の間に淘汰されるだろうし,淘汰されるべきだと考えていますが.

問題は,相互利用を拒絶する公共図書館のあり方を誰が許容するのか,ということなんだろうと思います.

時間が無くて,意を尽くせませんが取り急ぎ.

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