図書館目録再考
OPACを考える前に,検索されるデータを作成するための目録法を考えることから.これはやっぱり,個人的な体験から起こさなければダメか(^^;).
先日,敗北を喫したんですよ.MARC21準拠とかいう目録規則に.今や「大きな字で書いてあるのが本タイトル」という常識は通用しないorz 以前にも愚智提衡而立治之至也: ダメな図書館目録の例から始まる一連のエントリーで,あれこれ議論したところですが,大学図書館に関する限り現在の図書館目録は「提供のための目録」どころか「管理のための目録」ですらなく,「目録規則のための目録」即ち「人のために法がある」のではなく「法のために人がいる」状態に堕しているということだとしか,僕には思えないのですが,違うんでしょうか?
ところで,過日僕が担当している演習の期末試験の採点をやっていたら,自由記述欄で「図書館目録があれほどマニアックなものだとは思いませんでした」 という記述にぶつかりました(^^;).それは確かにその通りで,目録規則とは「例外」を見つけるとそれをすべて飲み込まずにはいられない消化のいい胃袋を持っているために,あまりに精緻になりすぎて作る側も使う側も,誰もが簡単に使える代物ではなくなっているのが現状でしょう.
図書館の目録は今後,マニアックと簡略化の二極分化が起きて進むだろうと,想像しているワタシ.マニアックの方向はAmazonの「なか見! 検索」みたいな方向と昔のキーワード・抄録検索の方向が,簡略化の方はメタデータ(ダブリン・コアみたいなの)程度の書誌記述で.という話は,既に僕自身が愚智提衡而立治之至也: ダメな図書館目録の例:補遺その3で繰り広げていたのでした(^^;).あれから4年ほど立つのに,全く考え方が変化していません.新しい展開もありません.どうしたものだか.
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コメント
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最近すごく感じることなんだけど、MARCってどうしてあんなにフィールド(項目)を細かく別けちゃったんだろう。
極端にいえば、ひとつのテキストフィールドにタイトルも著者も出版社もISBNも全部一緒に入力したって、充分に検索できるじゃないですか。
コンピュータの能力も向上しているし、データベース技術だって向上している。
そんな時代においても、あえてわざわざフィールド(項目)を作らなくてはいけない理由って....なんなんだ?
僕はMARCのこれからについて考えるとき、まずはこれですね。
事細かにフィールド(項目)を別けなきゃいけない理由を、きちんと説明してくれ!...ってね。
投稿: まる3 | 2009/02/20 00:18
>>まる3さん
別にMARCが細かいのではなく,元になっている目録カードを作るための「目録規則」が無暗と細かいんです.カード1枚に収まらないくらい(^^;).
ISBD区切り記号を駆使すれば,今でも書誌記述は1行で書くことが出来ます.恐らく,MARCレコードは既にその形で記録されているに違いなく,それを作成/閲覧の際に見やすい形式に変換して端末の画面に引き出しているんじゃないですか?
> そんな時代においても、あえてわざわざフィールド(項目)を作らなくてはいけない理由って....なんなんだ?
作成の際の手間を省くためと,検索結果を見るときに何をどう見ればいいのかが,ある程度,誰でもわかるようにするためでしょう.項目ごとの順番を決めておかなければ,どれがタイトルでどれが著者で出版者で,というのが検索結果を出力したときにわからないようでは,使う側も困ります.中には「これが出版者ですか?」と,とまどうような名称の出版者もありますし,出版者も個人であるとき,どちらが著者でどちらが出版者だかわからなければ,結果を受け取った人も困ります.
投稿: G.C.W. | 2009/02/21 19:34