ベートーヴェン/交響曲第7番
ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調作品92@フェレンツ・フリッチャイ/ベルリン・フィル(DG:POCG-3087)
1957年9月の録音.
この曲,クラシック音楽を取り上げて人気のマンガに登場したおかげで,あれよあれよと言う間にテレビCMにまで進出してしまった(^^;).ベートーヴェンどころか,交響曲史上でも屈指の名曲の割にはこれまで地味な扱われ方をしてきた作品なので,7番のファンとしては喜ぶべきことなんだろうなあ.
フリッチャイのこの録音は,ところが7番でも実に重い.若い頃はもっと颯爽とした演奏をしていたのだろうが,これは晩年の録音である.リズムが重いわけではないのだが,テンポが巌のように重いのである.引きずってはいないが,がっちりとしたインテンポで音楽は進行する.結果,フリッチャイの晩年に比較されたというフルトヴェングラーよりは,むしろクレンペラーを連想させる芸風になっている.恐らく,リズムの快感をこの曲に期待した聴き手は裏切られることであろう.この,ぎっちり情報の詰まった芸風になじめるかどうかが,初心者から次の段階へ分け入る関門になりそうである(^^;).
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