隙を作っているのは誰?
東京新聞:容疑者と被害者情報漏らす 報道機関に東金市立図書館:社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009012401000452.html
最近は公共図書館が何か問題を起こすと,「指定管理者が」「委託業者が」という声の大合唱になりがちですが(何しろ公共図書館をめぐるトンチンカンな話は,昨今みんな指定管理者のせいにしたがっているオバカも業界には存在すると,小耳に挟んだこともある),ところがどっこい,直営だってこのザマですがね.指定管理者や委託業者がダメになるのも,指導監督する立場の公務員がこの有様ですから当然ではないかと.直営(公務員)に基盤を置くあのひとやあの団体が如何に糊塗しようとも,地金が明らかになってしまった,と言えます.上記の記事を読む限りでは,業界側は報道機関に責任を転嫁しようとしているようですが,その元はと言えば,結局は業界の周知努力があらゆる面において不足していたということに立ち返らざるを得ないでしょう.
調査に対し東金図書館は、一部の取材者が執拗に情報開示を要求したとしており、図書館関係者は、報道側にも利用情報の扱いに対する理解が必要だとしている。
協会の調査によると、逮捕前に容疑者が「事件当日は図書館にいた」と話していたことから、逮捕後、複数の報道機関が図書館に取材した。
図書館は館長の不在を理由に断ったが、図書館を所管する市生涯学習課が、1社から取材を受け、容疑者と被害女児が利用登録した日と最終貸出日を教えた。その後、図書館もほかの報道機関に同じ対応をとった。
要するに,この件は公共図書館の運営が指定管理者であろうとなかろうと,お役所の漏れるところからは情報が漏れるんだということを,満天下に改めて知らしめてしまったわけで,「守秘義務」とやらを盾に公共図書館への指定管理者導入に反対し,プロパガンダを展開している連中には痛かったんじゃないですか? しかも,本庁が先立って情報を流している(「一部の取材者が執拗に情報開示を要求したとして」いるのは図書館サイドから出ている話ですから,信用できません.一方から出ている話のみでこれを断じるわけにはいきませんよ.曲がりなりにも,当方も「図書館」業界の一員ですから)わけで,まさに「背後からの一突き」.戦略も戦術もあったものではありませんね.
付け入る隙を作っているのは誰ですか?
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