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2008/11/24

学問と政治

 「みんなの図書館」12月号(No.380)が届いたので,早速読む.内容の詳細は【ともんけんウィークリー: みんなの図書館2008年12月号が出ました】に譲る.

 巻頭の「特集にあたって」を読んで,最初は栄光の「みんなの図書館」もこれを以って終刊なのか,と思いベートーヴェンの「エロイカ」を聴きながら茶化しのめすか,と読み始めたのだが,これがなかなかどうして,素晴らしく意気軒昂な特集で,今更ながらに図問研の,『市民の図書館』の強靭な生命力に舌を巻く思いである.これは皮肉で言っているのではない.公共図書館に関して,どのような立場に身を置くひとであれ,公共図書館に関心のあるひとなら一度は目を通すべき特集であることは間違いあるまい.僕自身も,付箋を貼ったり傍線を引いたりして,いろいろと勉強させられる内容であった.当初の偏見をお詫びする.

 それを踏まえた上で,1箇所どうしても首肯出来ない文章がある.


歴史認識が欠けていては将来を豊かに描くことは出来ないと思います.「『中小レポート』に何時までしがみついているのか」「『市民の図書館』の役割は終わった」「貸出しにうつつをぬかしていたから,今そのツケが回ってきたのだ」などという声を時々聞きます.私は何と傲慢な言葉かと思います.(29頁)
やれやれ(sigh),というしか無い.それは,何も僕が常々当blog等で最早『市民の図書館』の寿命が尽きかけていることを説いている,という立場にあるからそのような感慨をもらしているだけでは無い.他ならぬ「歴史認識」という言葉が,この文脈で使われていることに危惧を抱かざるを得ないからなのである.
 言い方を変えたほうがいいかもしれない.この箇所でこの文章の筆者が「歴史認識」という表現で問題視すべきは,『中小レポート』『市民の図書館』「貸出し」それぞれが現在この時点において,公共図書館の政策,機能として評価しうる内容であるかどうか,のはずであろう.それにもかかわらず,それらに疑問を差し挟むことを「傲慢」と切り捨てることにより,「歴史認識」を極めて政治的な文脈に回収しようとしているのである.これはとどのつまり,「学問の否定」に他ならない.

 なるほど,(図書館業界内における)政治においては,そのような文脈が「運動」として一定の力を持ち得た時代があったのかもしれない.しかし,現在においてその文脈の上で「傲慢」を指摘すること自体が,どれほどの意味を,力を持ち得るというのか.それは「歴史認識」ではなく,その時代を生きてきた人間による単なる「郷愁」では無い,と言い切れるのだろうか.僕は,ここで言われている「歴史認識」や「傲慢」は,この文章の筆者による郷愁でしか無いと考える.

 「歴史認識」という言葉が出ているので,ついでに改めて書いておくが,僕は『中小レポート』→『市民の図書館』→『公立図書館の任務と目標』という,現在に至る日図協の政策文書3部作の流れ,また『市民の図書館』→日本図書館研究会読書調査研究グループという学問的な流れは,必ずしも進歩的かつ単線的な「歴史」では無く,各々の連続性よりもその差異の方が現在では重要な研究すべき論点だと考えている.もしこれから公共図書館史を構想するのであれば,「連続する流れ」としての歴史認識の基本線としては,むしろ『中小レポート』→『市民の図書館』→浦安市立図書館→静岡市立御幸町図書館,千代田区立千代田図書館,矢祭もったいない図書館,アカデミーヒルズ六本木ライブラリー(以下煩雑になるので略)・・・・・・という線を設定したほうが,広がる公共図書館の枠組みと意義,という「歴史認識」として余程健全な立脚点となるであろう.

 『市民の図書館』を信奉する方々がそれを正典視するのは結構だが,「思想信条の自由」「学問の自由」「信教の自由」は日本国憲法でも保障されているわけだから(^^;),少なくとも僕が『市民の図書館』を正典視しないことを,こともあろうに公共図書館関係者から「傲慢」と切り捨てられる謂れは無い.

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