ベートーヴェン/交響曲第3番
ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」@フェリックス・ヴァインガルトナー/ヴィーン・フィル(EMI/新星堂:SGR-8004)
1936年5月22日,23日の録音.
ヴァインガルトナー(1863-1942)は第二次大戦前に日本を訪れた唯一の大指揮者である.何しろフランツ・リストの弟子で,ベルリン宮廷歌劇場の指揮者からヴィーンの宮廷歌劇場の指揮者(前任がグスタフ・マーラー)という日の当たる道を歩き続けた指揮者だったが,それでもシューベルトの録音をレコード会社に認められず,常々「未完成」と「グレート」が録音したい,と言っていたとか.
またフルトヴェングラー同様に「指揮もする作曲家」と自分を任じていた節もある.自らの作品は現在でもほとんど日の目を見ていないが,編曲作品は時々思い出されることがある.ベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア・ソナタ」(自ら録音している)の管絃楽編曲,シューベルトの交響曲ホ長調D729の編曲が知られているだろうか.
気品には優れているが構えばかりが堂々としていて,音楽を突き放したような演奏をすることが多かったようだが(ブラームスの交響曲録音が典型),この「英雄」では柴田南雄も述べているように,非常に気合の入った演奏を聴かせる.何か心中,期するところがあったのだろうか.
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