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ココログ


ほし2

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2008年10月の記事

2008/10/31

決定盤! ドイツ・マーチ・ベスト20

決定盤! ドイツ・マーチ・ベスト20@ヴィルヘルム・シュテファン大佐ほか/ドイツ連邦軍司令部軍楽隊ほか(フィリップス:UCCP-9448)

 1960年ごろの録音.
 あるとき,このCDをかけてクルマを走らせていたら停車中に,ぎょっとした顔で女性に振り向かれたことがあって(^^;),しかもそのときかかっていたのは事もあろうにフュルストの「バーデンヴァイラー(バドンヴィレ)行進曲」(!)だったという.知る人ぞ知る,アドルフ・ヒトラーお好みの行進曲だった作品である.まさかフツーのひとが「バーデンヴァイラー行進曲」の因縁を知っているとも思えず,きっとあのひとは,街宣車が走っているのだと勘違いしたんだろうと思う.
 確かに,このCDに聴ける「バーデンヴァイラー行進曲」はドイツの軍楽隊のものだけあって,大した迫力.その他「旧友」などなど剛直に聴かせる演奏である.

2008/10/30

palette@飯島真理

palette@飯島真理(ビクターエンタテインメント:VICL-62296/62297)

 ビクター時代のシングル・コレクションとアルバム「Starlight Moonshadow」の2枚組CD.某所で「1グラムの幸福」にひっかかってしまい,思わず某CDショップでこれを見つけて(出てるの知らなかった)ポチっとなしてしまったら,昨日の今日,もう届いてしまった(^^;).まったく,どうしたものだか.

 ホントはdisc2の「Starlight Moonshadow」をLPは持っているけどCDでは持ってなかった(未発売?)ので,それが目当てだったのに,もうdisc1だけでお腹一杯(^^;).元々「坂本龍一プロデュースの新人シンガーソングライターデビュー」という報知新聞の記事で注目したのが惚れ込んだキッカケで,「超時空要塞マクロス」本放送時はその時間に家にいたためしがなかったのに,それでも「愛・おぼえていますか」を聴くと泣けてくるのが不思議っちゃ不思議な話(^^;).何だかんだ言っても,これは名曲ということですね.

2008/10/29

ブラームス/交響曲第2番

ブラームス/交響曲第2番ニ長調作品73@ピエール・モントゥ/ロンドン交響楽団(フィリップス:442 547-2)

 1962年11月の録音.
 モントゥ(1875-1964)晩年の名演である.晩年のモントゥは「本当に指揮したいのはモーツァルトとブラームスだけだ」と言ったとか言わないとか.

 このCD,10年ほど前に入手したものと記憶しているが,実のところ最初に聴いたときは,何がいいのだかさっぱりわからなかった.凡俗ではない聴き手が激賞していたのが,さっぱり腑に落ちなかった.それからしばらく聴いていなかったのだが,今日何となく,久し振りに聴いたら「ナニこれ」と目からウロコ,である(^^;).これは酸いも甘いも噛み分けた人間が聴くべき演奏で,ケツの青いガキが聴いてわかるようなブラームスではないわ.
 例の如く,モントゥは何もしていないように聴こえるが,実は楽譜の隅々まで神経を行き届かせて,すべての音符が必然性を持って動いているように聴かせているのである.その上で,研ぎ澄まされたバランスのコントロールで,ブラームスには稀なる,透明な響きを以ってオケに弾かせている.とてもとても万人ウケする演奏ではないのであった.

 やっぱりモントゥは偉大な指揮者であった(sigh).

2008/10/28

マーラー/交響曲第1番

マーラー/交響曲第1番ニ長調@ロリン・マゼール/ヴィーン・フィル(ソニークラシカル:SX14X 87874)

 1985年の録音(多分).
 マーラーとしては,あまり面白くないマゼールの全集の中では,比較的フツーに聴ける演奏.この全集,第5番が最初の録音で,それを聴いたときには「この先,どんな全集になるのだろう」とワクワクしたのだけど,その5番さえも面白かったのは第1楽章だけで,あとはマゼールらしからぬ(?)演奏に終始していたのだったのよね.でもっと,出来上がった全集はさらに面白くないものになっていた,と.

 マゼールと,この第1番を巡って思い出すのは,いつぞやかバイエルン放送響と来日した際の演奏会でこの作品が取り上げられてNHK教育で放送されたときに,終楽章のコーダで演奏者が立ち上がる瞬間を,カメラが何故か写さなかったことで(^^;).そのあとも立ち上がっている奏者をカメラは避けよう,避けようとしていたような気がした.隣りの木管を写したときに,金管が立ち上がっているのは確認できたので,非常に可笑しなことでしたね.ジョン・バルビローリがヒューストンで「何故ジャズのように奏者を立たせるのか?」という問いに「スコアの指示です」と答えたらしいのですが,クラシック,それも19世紀末の作品では滅多に無いシーンなので(しかもこれは象徴的な強調を意味する動作なので),それを避けるカメラ・ワークというのは如何なものかと思ったことです.

2008/10/27

フランソワ・クープラン/壮大なるもの

フランソワ・クープラン/トリオ・ソナタ「壮大なるもの(Le Superbe)」DC1-5@スキップ・センベ(ドイツ・ハルモニア・ムンディ:88697 281822/17)

 録音年不詳(1996年頃?).
 正直,フランソワ・クープラン(1668-1733)と言われても,頭の中に俄然音楽が響くほど知っているわけでもなく,このCDも取り立てて感想が書けるわけでもないのが,ちょっと残念.聴いていて,なかなか楽しい音楽なのだが.
 このトリオ・ソナタは若い頃の作品であるらしく,意表を突くような音楽の運びがところどころで聴かれるのが面白い.

2008/10/26

ホルスト/惑星

ホルスト/組曲「惑星」作品32@ジョン・ヴィクトリン・ユウ/フィルハーモニア管絃楽団(エクストン:OVCL-00277)

 1998年7月13日-16日と9月10日(オルガン別録)の録音.オルガンのみ,プラハの「芸術家の家」ドヴォルジャーク・ホールのものを収録して合成.

 ジョン・ヴィクトリン・ユウ(Djong Victorin Yu)は韓国出身の指揮者(生年不詳.CDのブックレットにも載ってないし,web上にもそれらしい記述が見当たらない).写真を見たところ,若手で売り出し中のようだが,ことこの「惑星」はハズレだ(^^;).「火星」に8分17秒もかけている時点で,僕としてはアウト.「火星」は7分以下でなければ認められない.その「火星」に象徴されるように,全体も遅い演奏で約55分かかっている.ホルストの自作自演盤より10分以上も遅いというのは,どういうことだ.まったく,作曲家の意図とは異なるオーケストレーションの見本市としての解釈は,エクストンという録音のよさをウリにしているレーベルへの録音とは言え,如何なものかと思う.そのくせオケは,華やかさに欠ける漂白された音色を奏でているし.
 カップリングが入用だから購入したようなものの,「惑星」単独では魅力に欠けることおびただしい.つまらない.


 先週後半は,とある研修会に行っていました.その話はおいおい書きます.どうせ勤務先に報告上げるので,そこからのピックアップと「オミットしたこと」(^^;)をこちらに載せますよ.

2008/10/21

ベートーヴェン/交響曲第5番

ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調作品67@ジョージ・セル/ヴィーン・フィル(オルフェオ:C 484 981 B)

 1969年8月24日,ザルツブルク音楽祭,祝祭大劇場でのライヴ録音.
 演目はオール・ベートーヴェン・プログラムで「エグモント」序曲,ピアノ協奏曲第3番(ソリストはエミール・ギレリス),そして交響曲第5番で〆る.

 最晩年のセル,つまりEMIにシューベルトのD944やドヴォルジャークの第8番を録音した頃の芸風が見事に示されている,貴重な記録である.この指揮者はこの頃になってようやく,それまでの厳格なオーケストラ・コントロールに加えた形で,自由闊達な芸を獲得したのだった.この演奏よりほんの数年前にライヴ録音された,ブルックナーの第7番(チェコ・フィル,オルフェオ)と比較してみれば一目瞭然,という奴である.あれは録音がモノラルということもあるのだろうけど,ブルックナーが骨と皮だけの恐るべき残骸と化していたのに比べて,このベートーヴェンの厳格・清潔でありながら闊達たりえている音楽の有り様は,まず「人生の夕映え」と賞賛するに足る名演と評していいだろう.

2008/10/20

シューベルト/交響曲D944

シューベルト/交響曲ハ長調D944(第9番)@アルトゥーロ・トスカニーニ/フィラデルフィア管絃楽団(BMG:BVCC-7039)

 1941年11月16日の録音.
 トスカニーニ(1867-1957)が珍しく,フィラデルフィアを振った録音.このとき,トスカニーニはCDにして4枚分の録音を集中的に行ったうちの1曲である.CDの解説に拠れば,トスカニーニにとってシューベルトのD944は僕の想像以上に,そのキャリアの上で大切な音楽であったらしい.

 面白いことに,総じてテンポの速い演奏でありながら(46分弱と,カラヤン並みの速さである),第1楽章の序奏の終結部では若干テンポを落とし,見得を切るように提示部に突入している.このようなやり方はトスカニーニ以外,聴いた記憶が無い.
 ウチのカミさんによると,トスカニーニのスゴイのは「低音部がぶれず,縦の線が合っている上に,基本のテンポが常にビシッと決まっているところ」なんだそうで,故にトスカニーニの演奏は大変聴きやすいものなんだとか.NBCはもちろん,このフィラデルフィアとの演奏でも,その辺りは変わってない由.

Library of the Year 2008

 例の図書館総合展で行われるLibrary of the Year 2008の選考対象に,今年は千代田区立千代田図書館が選ばれたばかりか,あろうことか「図書館」ですらない団体が選ばれたことが,ごく一部で物議をかもしているようで何よりです(^^;).昨年のこの催しにて,選考対象に「矢祭もったいない図書館」が選ばれたことに,この期に及んで今もなお異議を唱えている方を某所で見つけて吹き出してしまったわけですが,そこまで「図書館」(この場合の「図書館」は「公共図書館」否「公立図書館」とほとんど同義か)の概念と機能を限定して,というよりも「純化」してどうしようというのだか,さっぱりその先が見えてこないところが,如何にも『市民の図書館』信者だなあ,と,それを読みながら思ったことでした.

 そして恐らく,2時間に1本列車が通るかどうか,というド田舎に「公共図書館」を名乗る「場所」がありそこに本がある,そのこと自体が,どれだけその地域にとって僥倖であるのか,それすら全くわかっていない都会人の発想/認識なんて,所詮はその程度だろうな,ということもよくわかりました.さらに『市民の図書館』信者の面目躍如なのが,矢祭が現在寄贈受付を停止していることを以って,新刊書籍が無い公共図書館なんて,とほざいていたこと.新刊書だけが知的好奇心を刺激するんですかねえ(^^;).だとしたら,僕のように今になって鈴木栄太郎(1894-1966)や矢崎武夫(1916-2005)の仕事を追いかけて苦労している人間は,『市民の図書館』信者が旨とする公共図書館のサービスの対象外ということになりますわな.実際,近所の公共図書館に鈴木栄太郎の所蔵は無かったしorz 現物貸借頼むなら自分の勤務先でやりますが,もしも近所で間に合うならその方が安上がりだったんですけどね.

 思うに「公共図書館」という存在,もしくは概念の拡大は受益者に多大の権利と利益をもたらすでしょうが,その真逆,即ち『市民の図書館』に基幹をおいて「公共図書館」の概念を「公立図書館」と「それ以外」とに,狭く純粋に捉えようと業界がし続け「あれは公立図書館ではない」「これは真の意味での公共図書館ではない」と言い募り続けることは,結局は受益者から本当の意味での利益と権利を奪うだけにとどまらず,純化路線の目的が最終的には「公務員の既得権益護持」であることを疑われる結果に終わるでしょうね.

 これ以上の『市民の図書館』信者の暴走を止めるためにも,Library of the Year 2008におかれましては是非「図書館」ではない団体が大賞を獲得することを密かに願っておりますよ(^^;).

2008/10/19

シューベルト/交響曲第4番

シューベルト/交響曲ハ短調D417「悲劇的」(第4番)@ギュンター・ヴァント/ケルン放送交響楽団(BMG:09026 65943 2)

 1980年6月2日-7日の録音.
 シューベルトの第4番とか第5番とか,若い頃に聴きすぎたためか,今ではほとんど聴かないのね.もっと若書きの1番から3番の方がよく聴く.どうも4番と5番は,「狙っている」ところがあからさまにわかっちゃうのが,ちょっと鼻につくのですよ.

 それにもかかわらず,ヴァントの指揮の何と剛直でけれん味の無いこと.そこに音楽があるというだけで,全力投球している姿勢に,すれっからしの聴き手は恥じ入るばかり.斯様に真摯な気持ちを,忘れたら音楽も学問も図書館もダメなんだよなあ(sigh).

2008/10/18

ショスタコーヴィチ/「森の歌」

ショスタコーヴィチ/カンタータ「森の歌」作品81@エフゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(メロディア/BMG:BVCX-4026)

 1949年12月12日の録音.
 一般的には「オラトリオ」とされているのに,このCDでは何故か「カンタータ」.と思ったらブックレットの解説では「オラトリオ」なんじゃらほい(^^;)? どちらにせよ,「森の歌」は一般的な宗教とは無関係なスターリン讃歌.特に歌詞改訂前の版はあからさまな内容の歌詞で,ショスタコーヴィチは粛清を回避することにからくも成功する.

 毀誉褒貶の激しい作品だが,駄作だ何だと言う方々には,これほどわかりやすくメロディアスで楽しく説得力のある20世紀半ばに作曲されたクラシック音楽が他に何曲あるか考えて欲しいものです.もっとも,ムラヴィンスキーが振ると,「森の歌」でもシュプレヒコールのように聴こえる(^^;).録音も古いものですから,その辺りは割り引いてください.個人的には,もう少し旧・西側の録音があってもよさそうに思うけど,難しいのかなやっぱり.なお,日本では一時期,無暗と流行った作品でした.僕の知人にも,この作品の児童合唱に参加したのがいたくらいで.

 そうそう,今日のおやつどきにNHK教育の「懐かしの名演奏」という番組で,マリス・ヤンソンス指揮のレニングラード・フィルが1986年に来日した際の公演が放送されてましたっけ.たまたまショスタコーヴィチの5番を聴いたけど,繊細な部分はさておき,マッスの迫力には欠けていたような.「誰の決定? どこの方針?」とか僕を難詰していたひとは,EUのEMI本社に怒鳴り込んだんだろうか? ただの弱い者イジメじゃないだろうから,まさか.

失政のツケ

 昨日届いた「図書館雑誌」2008年10月号をつらつら読んでいてビックリしたのですが,


来年度以降の全国図書館大会の開催地が確定していない.(746頁)
のだそうで.毎年10月を目処に大会を開くのが慣習ですから,今頃にはすでに来年度の開催場所は決まっているのが通例だったと記憶しているのですが,来年度さえ決まっていないというのでは,日本図書館協会の基礎体力も相当な部分,衰えてきているのかとある種の感慨を禁じえません.

 ここ数十年来の日図協の公共図書館に偏重した運営(一例を挙げれば,日図協主催の「ステップアップ研修」とやらが始まってから随分になるのに,何時までたっても公共図書館司書のためのものにとどまり,他の館種に拡大する様子が見られないこと.しかも,導入にかかわった関係者が「公共から始めるのが当然」と言わんばかりのことを「図書館雑誌」に記している)がもたらすであろう「ひずみ」については,以前このblogではないところであれこれ述べたこともありました.しかるに公共図書館の関係者が全く聞く耳を持っていなかったので,がっかりして最近は何も言わずに来ております.が,どうやらここへ来て,懸念していた「ひずみ」がいよいよ具体的な形をもって表に出てきたような気がしますね.図書館大会にしても,建前は746頁に書いてあるとおりですが,実態が本当に伴っているのかどうかよくわからないので,1度も出席したこと無いですし.

 同じ頁で触れられている日図協大学図書館部会臨時総会についても,その「混乱」の主原因は日図協の公共偏重に対する大学側(特に負担が過重である感じていると言われる施設会員)の離反にあるのではないかと,推測される節がありますし.実際問題,大学図書館と大学図書館員に対して,日図協は何もしていないに等しいですからね.その遠因は恐らく栗原均元理事長が「ず・ぼん」のインタビューで語っていた「図書館事業振興法」をめぐる対立の構図だったのでしょうが,正直,年会費を9000円も取っておきながら,上の世代の失政のツケを次の世代(と言っても僕はもう40代ですが)に廻して事足れり,とされるのは勘弁して欲しいのですよ.

2008/10/17

マーラー/交響曲第8番

マーラー/交響曲第8番変ホ長調@ラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団(DG:463 747-2)

 1970年6月の録音.
 その動員される規模の大きさと第1部の華やかさから,祝典などの機会に使われることの多い作品である.細部をいろいろ眺めてみると,第1部と第2部の歌詞の脈絡や,第2部の冗長さなど,突っ込むところはいろいろあるのだろうけど,これほど見事なソナタ楽章を作曲家自身が書かなかったかもしれない第1部など,まさに天才のなせる業だと思わせるところも多く,その玉石混交なごった煮的な魅力故に,聴き所には事欠かないかもしれない.

 クーベリックの指揮は見事なもの.これだけ大規模で見通しの悪い作品を,よくもここまでまとめあげたものだと感心する.

2008/10/16

ねえねえ,いやはや,ちょっとこれ,やれどうしたものか.あーまったくもう

 たまには仕事の話.


2005年度 約24万円
2006年度 約31万円
2007年度 約35万円
2008年度 約50万円

これは,とある外国語雑誌の勤務先での購読料の推移(代理店経由).

 この雑誌は,もうひとつの雑誌とともに自然科学系の両巨頭とも言える雑誌であります.勤務先でも40年以上の長きに渡って購読を続けて来た雑誌でしたが,ここ数年,そのアコギな商売のやり口(無暗と増える派生誌,プリントよりオンラインが高額,派生誌をまとめ買いした顧客の優遇などなど)が水面下で取り沙汰されておりました.それがついに,単独でプリント版のみを購読すると50万円ですか.ちなみに,もうひとつの雑誌の購読料はプリント版のみでこちらの3分の1以下.昨今の円の独歩高を考えれば,これが当たり前ですよ.他の外国雑誌も,軒並み購読価格は据置きなのに,これだけが高騰を続けるというのは,さすがというか何というか.この雑誌の「大企業優遇,中小企業冷遇」な価格体系には,もうついていけませぬ.正直,外国雑誌は他を切り捨ててでも,これともうひとつの購読を維持しようと考えていた時期もありましたが,あまりの仕打ちに言葉もありませんわ.

 田舎のごく小規模大学図書館における事務長的立場にある者としては,これ以上費用対効果の見込めない雑誌を見栄で購読し続ける必要は無い,と判断しました.ぶっちゃけた話,50万はたいてこの雑誌の購読を維持するよりも,「日経エンタテインメント」の購読を維持したほうが学生が来ますからね.それが底辺校の現実.

 よって,今年度を以ってこの雑誌の購読を打ち切ることを,明日図書館長に進言し了解を得る予定ですので悪しからず.

ベートーヴェン/交響曲第6番

ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」@フランツ・シャルク/ヴィーン・フィル(HMV/プライザー:90111)

 1928年4月4日と11日の録音.
 シャルク(1863-1931)はブルックナーの改竄版を作ったことで兄のヨーゼフ・シャルクやフェルディナント・レーヴェとともに「三使徒」ならぬ「三悪人」(^^;)の如く言われていることもあるヴィーンの指揮者.先日取り上げた同年生まれのヴァインガルトナーともども,マーラーからは無能な指揮者とみなされていたらしい.

 この「田園」に聴くシャルクの芸風は,「田園」の描写に気配りしながらも,きびきびしたテンポで颯爽と走る,非常にモダーンでスタイリッシュなもの.年下のハンス・プフィッツナー(1869-1949)の方が遙かにロマンティックで濃厚な指揮振りである.確かに激しくテンポを動かし疾風怒濤な指揮を聴かせたらしいマーラーとは相容れそうにも無い(^^;).

2008/10/15

マーラー/交響曲第3番

マーラー/交響曲第3番ニ短調@小澤征爾/ボストン交響楽団(フィリップス:PHCP-17503/17504)

 1993年4月22日-27日の録音.
 フィリップスの録音の趣味なのかどうなのかよくわからないが,何だか色に乏しい演奏である.墨絵のようなマーラーで,輝かしさに欠けるところが何ともつまらない(^^;).DGに録音した第1番は,かなり色彩的で華やかだった印象があるだけに,いまひとつの感は否めない.聴き終っても,特に何がどうしたというところが残らないし.綺麗な蒸留水のような演奏だな,というしかないかも.

2008/10/14

ベートーヴェン/交響曲第3番

ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」@フェリックス・ヴァインガルトナー/ヴィーン・フィル(EMI/新星堂:SGR-8004)

 1936年5月22日,23日の録音.
 ヴァインガルトナー(1863-1942)は第二次大戦前に日本を訪れた唯一の大指揮者である.何しろフランツ・リストの弟子で,ベルリン宮廷歌劇場の指揮者からヴィーンの宮廷歌劇場の指揮者(前任がグスタフ・マーラー)という日の当たる道を歩き続けた指揮者だったが,それでもシューベルトの録音をレコード会社に認められず,常々「未完成」と「グレート」が録音したい,と言っていたとか.

 またフルトヴェングラー同様に「指揮もする作曲家」と自分を任じていた節もある.自らの作品は現在でもほとんど日の目を見ていないが,編曲作品は時々思い出されることがある.ベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア・ソナタ」(自ら録音している)の管絃楽編曲,シューベルトの交響曲ホ長調D729の編曲が知られているだろうか.

 気品には優れているが構えばかりが堂々としていて,音楽を突き放したような演奏をすることが多かったようだが(ブラームスの交響曲録音が典型),この「英雄」では柴田南雄も述べているように,非常に気合の入った演奏を聴かせる.何か心中,期するところがあったのだろうか.

2008/10/13

ショスタコーヴィチ/交響曲第7番

ショスタコーヴィチ/交響曲第7番ハ長調「レニングラード」@マリス・ヤンソンス/サンクト・ペテルブルク・フィル(EMI:3 65311 2)

 1988年4月22日-23日の録音.
 真冬になってから取り上げると,ホントに寒いので(^^;),今のうちに取り上げておく.

 録音が遠めのためもあるのか,サンクト・ペテルブルク・フィル(つまりはムラヴィンスキーのレニングラード・フィルだ)を起用した割には,繊細でごくおとなしい印象を受ける演奏に仕上がっているのが,この作品には珍しいような感じがする.重戦車のように押しまくるか,英雄の如く押しまくるか,軽いか重いかはともかく,とにかく突き押し相撲のような演奏が多いから,この曲は.

つくばオフ会ご参集御礼

 去る10月11日(土)の某(隠すほどのものでもないか)大学のホームカミングデーに併せて,min2-flyさんに企画していただいた,つくばのオフ会に参加していただきましたみなさま,ありがとうございましたm(_ _)m 何だか,勢いに任せてひとりでツクバの昔話をしゃべっていたような気がしますが,お楽しみいただけましたでしょうか? 若いみなさんと話をしていると,自分の頭の中が整理できるので,ついつい話が支離滅裂になってしまいます(-_-;).しかし,何方かがおっしゃられていた通り「教員と学生,という年齢構成ですよね」,若い方々と飲み会ができるのもこのblogのおかげでございます.今後は,もう少し内容を充実させねば>>当blog.

 ところで帰路,実家に辿り着いたのは日付が変わった0時半過ぎ.便利なことに23時過ぎても東北線は上野発が3本も走っているんですね,現在は.おかげで無事に帰宅できました.ときに上野駅でボンネット型特急車輌で運行する急行「能登」を隣りのホームで見かけて仰天しましたよ(恐らく「鉄道の日」関連の特別企画列車ですね).写真を撮り損ねたのが残念.
 ひょっとして,北千住から東武伊勢崎線使ったらもう少し早く帰れたのかな,と確認してみたら上野周りとまったく同じ結果になったので,JRのホリデーパス使っていた身としては,上野周りが正解だったみたいですね.

 そうそう,今回改めて自分が年をとったと思ったのは,酒を飲んでると食がほとんど進まなくなることだったりしました(^^;).昔はお酒飲みながらでも,もう少し食べられたはずなのにorz 酒量も落ちましたわ.

 それはともかく,今回都合でお会いできませんでしたみなさまには,次の機会を楽しみにしております.今回は,ありがとうございました!

2008/10/06

From Eroica with Love

 先日勤務先に届いた,Library Journal2008年9月15日号のReview欄にGlaphic Novelsという項目があって,そこに“From Eroica with Love”という文字列を見てぶったまげた,という話(10月13日改稿).

 いきなり「ケロロ軍曹」の絵が目に飛び込んできたのにも驚いたけど,よりにもよって『エロイカより愛をこめて』ですよ,奥さん(誰?)!


Aoike, Yasuko. From Eroica with Love. Vol. 13. CMX: DC Comics. 2008. 198p. tr. from Japanese by Tony Ogasawara. ISBN 978-1-4012-0882-0. pap. $9.99. F
しかも,よく見るとこの書誌“Vol. 13”ですって.コミックスの巻数と連動しているのか,別編集なのかは調べてませんが,それにしても,日本のマンガってUSAに随分と浸透しているのですね,と奇妙な感動を覚えましたことですよ.

ところで同じレビュー欄に


Hiramoto, Akira. Me and the Devil Blues. Bk. 1: The Unreal Life of Robert Johnson. Del Rey: Ballantine. 2008. 544p. ISBN 978-0-345-49926-4. pap. $19.95. F
という作品が取り上げられているのですが,これは原本がわからない.“Hiramoto, Akira”という名前にピンと来るものが無いので,最近のマンガ家さんなのかなあと思いますが(ここ15~6年ほどマンガ雑誌には縁が無いので),どなたかご教示いただけますと幸いですm(_ _)m

ビーバー/レクィエム

ビーバー/レクィエム イ長調@グスタフ・レオンハルト/オランダ・バロック・オーケストラ(ドイツ・ハルモニア・ムンディ:88697 281822/13)

 1995年頃の録音?
 ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・ビーバー(1644-1704)は当代きってのヴァイオリンの名手として知られ,またザルツブルクの宮廷楽長を務めた作曲家.ヴァイオリンのための作品(「ロザリオのソナタ」など)が有名だが,「53声部のミサ」として知られる「ザルツブルク・ミサ曲」が近年,ビーバーの作品と目されるようになったように,多声部のための声楽曲なども書いている.この「レクィエム」も15声部のための作品である.

 ビーバーの作風は「ザルツブルク・ミサ曲」のようにどこまでも明るく伸びやか,現世の憂いなど吹き飛ばしてしまうような爽やかな音楽で,これが「レクィエム」ですか,というくらい.大バッハ以降のしんねりむっつりした深刻な宗教音楽ばかり聴いていると,とまどうこと請け合いである,かな(^^;).

2008/10/05

マーラー/交響曲第7番

マーラー/交響曲第7番ホ短調@ガリー・ベルティーニ/ケルン放送交響楽団(EMI:3 40244 2)

 1990年2月9日から15日の録音.

 筋肉質でアンサンブルの引き締まった好演である.意外にモダーンで都会的な印象を与える辛口の演奏であり,甘いロマンティックな雰囲気からは少々遠いが,マーラーの神経症気味な引き裂かれた気質はよく再現されていると思う.ツボは外していない.

 今月は追い込みに付き,碌なエントリー書けないと思います,悪しからず.

2008/10/04

ベートーヴェン/交響曲第6番

ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」@エーリヒ・クライバー/アムステルダム・コンセルトヘボウ管絃楽団(デッカ:417 637-2)

 1952年の録音.

 何故か当blogに某H大学の司書課程関係のサイトからアクセスが(^^;).セキュリティがかかっているので内容は確認できず.もし学生さんが見ているのであれば忠告しておきますが,ウチは業界の主流派じゃないから,ウチを見てレポート書いても良い点はもらえませんよ,恐らく.
 模範解答を書いて良い点を取ろうと思ったら【ともんけんウィークリー】とか見ないとダメですよ.

2008/10/03

ドヴォルジャーク/交響曲第8番

ドヴォルジャーク/交響曲第8番ト長調作品88@ジョン・バルビローリ/ハレ管絃楽団(EMI:7 64193 2)

 1957年6月28日の録音.元はパイ(Pye)というUKのレーベルによるもの.
 この頃のバルビローリ(1899-1970)はあまりアンサンブルに拘泥せず,音楽の勢いをとった録音が多い.この録音もそのひとつで,トチろうが縦の線が合わなかろうがお構い無しに突進する(^^;).第1楽章のコーダでは木管がリズムを吹き損ねたままの演奏が残ってしまっている有様.

 その姿勢が変化するのはベルリン・フィルと録音したマーラーの9番(1964年録音)あたりからで,その頃からバルビローリの演奏はシベリウス全集やマーラーの5番,6版に代表されるような,崩落寸前の爛熟した絃楽の響きを基盤にしたアンサンブルで,ねっとりとした独特の芸風を立ち上げていく.

2008/10/02

チャイコフスキー/交響曲第6番

チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」@ピエール・モントゥ/ボストン交響楽団(BMG:BVCC-8941/8942)

 1955年1月26日の録音.最初期も最初期のステレオ録音であるが,充分鑑賞に堪える.
 「秋の日は釣瓶落とし」とはよく言ったもので,あっと言う間に涼しいを通り越して朝晩は冷え込む.こうなってくるとチャイコフスキーやブラームスの音楽が恋しくなってくるのは,もう理屈を通り越して生活のリズムのようなものか(^^;).

 モントゥの演奏は例の如く「何も足さない,何も引かない」アッサリした中に音楽の実像が浮かび上がるという態のもの.チャイコフスキーなんだからもう少し芝居っ気を出してもよさそうなものだが,拍子抜けするくらい「音楽」をやることしか頭に無いかの如きである.それでいて見事なチャイコフスキーなのだから.

2008/10/01

ブルックナー/交響曲第4番

ブルックナー/交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」@ヨゼフ・カイルベルト/NHK交響楽団(キング:KICC 3051)

 1968年5月21日のライヴ録音.
 今年が生誕100年になる,カイルベルト(1908-1968)が急死の直前に来日した際のライヴである.カイルベルトはブルックナーのスタジオ録音を6番と9番しか残してないので,このようなライヴが発掘されていることはファンとしてありがたく思う.で,演奏しているオケがN響ではなくベルリン・フィルとは言わないまでも,ハンブルクのオケか,せめてバンベルク交響楽団でも,と思わないでもないけれども,同時期に出た7番のライヴに比べれば,曲にも助けられてN響は踏ん張っているようである(^^;).同じくN響での「第9」が奇跡的な出来だったことを思い出しても仕方が無いが,それにしても「ダメなオケなど無い.ダメな指揮者がいるだけだ」というトスカニーニに仮託されている箴言のとおり,N響はカイルベルトの棒の下で,当時の実力以上の力を出しているのではないか.

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