ブラームス/交響曲第2番
ブラームス/交響曲第2番ニ長調作品73@ピエール・モントゥ/ロンドン交響楽団(フィリップス:442 547-2)
1962年11月の録音.
モントゥ(1875-1964)晩年の名演である.晩年のモントゥは「本当に指揮したいのはモーツァルトとブラームスだけだ」と言ったとか言わないとか.
このCD,10年ほど前に入手したものと記憶しているが,実のところ最初に聴いたときは,何がいいのだかさっぱりわからなかった.凡俗ではない聴き手が激賞していたのが,さっぱり腑に落ちなかった.それからしばらく聴いていなかったのだが,今日何となく,久し振りに聴いたら「ナニこれ」と目からウロコ,である(^^;).これは酸いも甘いも噛み分けた人間が聴くべき演奏で,ケツの青いガキが聴いてわかるようなブラームスではないわ.
例の如く,モントゥは何もしていないように聴こえるが,実は楽譜の隅々まで神経を行き届かせて,すべての音符が必然性を持って動いているように聴かせているのである.その上で,研ぎ澄まされたバランスのコントロールで,ブラームスには稀なる,透明な響きを以ってオケに弾かせている.とてもとても万人ウケする演奏ではないのであった.
やっぱりモントゥは偉大な指揮者であった(sigh).
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