シューベルト/交響曲第2番
シューベルト/交響曲変ロ長調D125(第2番)@カール・ベーム/ベルリン・フィル(DG:471 308-2)
1971年5月の録音.
記憶に間違いが無ければ,カール・ベーム(1894-1981)がヴィーン・フィルとの引退演奏会に予定していた曲目はシューベルトの「未完成」と「グレート」だった.残念ながらその演奏会に登壇することなくベームは死去し,その演奏会は追悼演奏会として,同じ演目をヴォルフガング・サヴァリッシュが振っている.ベームが定評のあったモーツァルトやベートーヴェンではなく,シューベルトの2曲を選んでいた,というのが興味ぶかい.
五味康祐が何処かで皮肉交じりに書いていたけど,シューベルトの「やさしさ」は年寄りが癒されるのだから本物である,と.
さて,この曲はシューベルト17歳の若書き(1814年).フィナーレに早くも後年の大作の予兆を感じさせる,幾分の冗長さが感じられるものの,全体的に明るく華やいだ雰囲気の音楽である.ベームの棒は堅実そのもので,安定したテンポとかっちりしたアンサンブルで,シューベルトの若書きゆえの明るさを引き出した見事な演奏を仕上げている.
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