シンディング/交響曲第1番
シンディング/交響曲第1番ニ短調作品21@アリ・ラシライネン/ノルウェイ放送管絃楽団(フィンランディア:WPCS-10420)
1998年9月の録音
クリスティアン・シンディング(1856-1941)はノルウェイにおいて,グリーグの次の世代を代表する作曲家だが,主な活動の場はドイツである.ライプツィヒで学んだ後,ノルウェイ政府からの奨学金と年金を得て,作曲に専念する.ドイツ・ロマン派の作曲技法を受け継ぎ,ブラームスとニールセンの中間あたりに位置するオーケストレーションで交響曲を書いた.
北欧の交響曲に時々聴かれる,遠心力の効いた取りとめの無さはシンディングの交響曲にも聴くことが出来るが,この第1番(1890年)は悲劇的かつヒロイックな雰囲気でまとめられており,美しい旋律が聴かれる第2楽章が白眉である.ラシライネンの演奏は過不足無くまとめられ,作品の価値を伝えるのに成功している.
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