そこまで私は楽天家にはなれません
日頃「ブログ論壇」などとは無関係に生きているはずなのだが,何だか最近,我がはてなブックマークに付しているコメントが左右両翼から評判が悪いようで(^^;).右でも左でも極端と極端から悪評を蒙るというのは「連帯を求めて孤立を恐れず」というくらいのもので,それほど悪い気分では無いですが,しかし言ってもいない意味を押し付けられたり,痛くも無い腹を探られるのも癪の種,ではありますね.
少なくとも「ホームレスに人権が無い」とblogにもはてブにも書いた記憶は無いし,そのように考えたことは勿論生まれてからこの方一度も無く,その辺を深読みし僕に対してラベリングしようとするヒトは今後も無視します.悪しからず.正直,この手のデマを流しているヒトには怒りを禁じえません.
次は「人権は自明のもの」ですが,各自がそう思うのはご自由にどうぞ.ただし,それを「禁欲的な自己を正当化するプロパガンダ」に用いるのは危険だ,ということくらいは認識しておいて欲しいのですよ.それは善意の人だったと思しきサヴォナローラやロベスピエールが陥った過ちですから.
そもそもみなさん一口に「人権」と言いますが,この言葉の意味するところの変容,あるいはこの言葉の中にどれだけ多くの権利が内包されているか,そしてその中である「権利」とある「権利」がある場面においては衝突することがありうることについての理解は,どれだけあるのでしょうか.そして,それらのことは今や何処にでも発生している言わば日常茶飯事であり,少なくとも個々人の自律と信頼による予定調和としての(自然権としての)「人権」を考え肯定することは,現状では困難なことではありますまいか.何らかの形で,そこには「政治」が関与せざるを得ない.「日本国憲法に書いてあるから自明」なのではなく,「(憲法制定当時は)自明ではなかったが故に日本国憲法に書き込む必要があった」と考えるべきでしょう(なお,僕が指摘するまでも無いはずですが,日本国憲法は「不磨の大典」ではなく「改正」できることにもう少し留意すべきです.その危機は2007年に現実のものとなりかけたのですから).
mojimojiさんのような頭のいい人(これは皮肉ではなく)でさえ,シンガポールにおける山下大将のように振る舞い,僕ごときに「イエスかノーか」を迫るほど,現状「人権」の存立する基盤には危うさがあると考えています.繰り返しになりますが,現在考えられうる「人権」の中には個人と個人の関係においてさえ衝突する恐れのある「権利」が包含されている以上,「人権は自明」などと,「人権」をクルマのバンパーに張るステッカーのように扱うわけにはいかないでしょう.僕にはそれがもたらす結果が恐ろしくて,そのようなリバタリアン的な振る舞いはいたしかねます.いくつかのクリアすべき要件(それは誰かが言うような「義務と権利」云々ではなく「権利と権利」のことになります)を解決することによって合意の形成を計ることは可能でしょうが.そこに好き好んでカール・シュミットの述べる「友・敵」関係を持ち込むのは,あまり上手なやり方とは思えません.
id:wackunpapa >いや、考えたらいいじゃないですか。で、考えて、人権を否定するんですか?肯定するんですか?肯定するんなら、僕とあなたの間で、人権は「自明の前提」です。
ましてや「差別する/人権を認めない奴には人権を認めない」と言っているヒトは,あまりにナイーヴに過ぎます.彼らは以前,イラクで人質になった方々を「税金泥棒」などと非難した連中を批判したヒトと相当数が同一人であろうと思われますが,結局は連中と同じ穴の狢ですからね.どのような主義主張を持っている国民であろうとも,国家は国民を庇護する義務があると言っていたはずですから,あなた方は.ヴォルテールに仮託されている「私はあなたの意見には反対だが,あなたがそれを主張する権利には賛成する」を思い起こしていただきたい.
と言うわけで,mojimojiさんへのお答えとしては,僕も「人権はある」と考えています.しかし,それによってmojimojiさんと僕の間に成立するのは「自明の前提」ではなく,「了解した事項」がひとつ,程度のことであろうと考えます.恐らく,mojimojiさんと僕の想定する「人権」の中身については,幾つか吟味しなければならないこと/ものがあるのではないでしょうか? それを突き合わせて一致点を見出したとき,初めて「人権」はmojimojiさんと僕の間で「自明の前提」になるでしょう.「人権」とは,その程度には重いものであり,軽々に「自明の前提」としては取り扱えないものではありませんか? もっとも,そもそも「人権」を説くに当たって粗雑でかつ情緒的なプロパガンダに訴えるのは如何なものか,という違和感の表明に対して,「人権はあるのか無いのか」という僕が言外にも述べる意図の無いことをぶつけてくるのは,何となく議論のすり替えを計ろうとしている,と考えられなくもありません.
しかし,他者に対して「人権」を突きつけるのに,他者の「はてなID」を誤記する無神経さというのは如何なものかと思いますけどね(^^;).未だ訂正も無いところをみると,mojimojiさんのおっしゃる「人権」は口先だけのものなんですね?
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コメント
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id:kyo_juさん
お問い合わせありがとうございます.どこでお返事していいかわからなくなってしまったので,こちらにて失礼します.メタブクマばかりしてもわけがわからなくなりそうなので.
> 右の人から左認定されたブコメとかブログエントリってありました?できればご教示ください。
「大阪市問題まとめサイト」 http://osakasi.livedoor.biz/ という,どう読んでも右の人が運営していたところでそのように紹介されていたのですが,改めて確認するべく,いま見に行ったらblogが丸ごと無くなっていました.ここには,当blogを揶揄して紹介したエントリーもありましたし,サイドバーに設定されていた当blogへのリンクが部落解放同盟などと同じカテゴリに放り込まれておりましたので,右の人からは左認定されちゃうんだな,と思ったわけです.
ちなみに,そのサイトからリンク張られたときは2日半ほど,当blogへのアクセス数が普段の5倍になりました(^^;).ここ数日,アクセスが途絶えているなあ,と思ったら相手が消滅していたんですね.やれやれです.
以上のようなお答えでよろしかったでしょうか?
ちなみに,僕は自分の向きが右か左か,というのは自分でも判断しかねてます.4代続く根っからの天邪鬼の3代目であり,我ながらそんなに単純な思考回路の持ち主でも無さそうなので(^^;).昔からよく「斜に構えている」と評されますが,構えているのではなくこれが生地なんじゃないかしらん,と.
どちらにしても,熱狂と極端と狂信と禁欲は大嫌いなので,左右どちらにもあまり与したくない,というのが本音ですかね.ですから,今回は僕のようなタイプが立つには,いささか場違いな土俵に首を突っ込んでしまったような気がしています.
投稿: G.C.W. | 2008/09/24 20:17
id:y_arimさん
> ぜんぜん関係なくないか、「あたまがわるい」と人権語りって。
「関係ない」とみなせるのは,知的怠慢(思考停止)か,傲慢(慢心)か,のいずれかの場合でしょう.
投稿: G.C.W. | 2008/09/24 21:59
id:wackunnpapaさま
お返事ありがとうございます。
(ちなみにコメント欄でお返事いただいていることは、友人から指摘されて気付きました。できれば「コメント欄で回答しました」という趣旨だけでも、IDコールでご連絡いただければより有難かったです。)
言及元が削除されてしまったとのことで、右寄りの方からどのような批判が寄せられていたのか、またそれは今回言及されている件に関するものだったのか、確認できないのは残念ですが、消えてしまったものは仕方ありませんので、右寄りからの批判もあったということで話を進めます。
今回、わざわざブックマークコメントで質問させていただいたのは、このエントリの冒頭では左右両翼から非難されて辟易しているという意味のことが書かれているのに、その後で批判されているのは「左寄り」と目される人たちの主張だけだったということに、やや奇異な印象を受けたからです。
人権の自明性について論じたhokusyuさんのエントリに対して「ここにもロベスピエールがいたか」とのブックマークコメントをつけておられ、このエントリでも「善意の人だったと思しきサヴォナローラやロベスピエールが陥った過ち」と述べておられるところから察するに、wackunnpapaさんは「左寄りの全体主義」の危険性を何よりも懸念されているように思えます。
それは必要な懸念ではあるだろうと思いますが、それを懸念するあまり、左寄りの主張からは常に全体主義の匂いを嗅ぎ取り、左寄りでない主張に含まれる全体主義の成分は見過ごされるようなことがもし仮にあるとすれば、残念なことだと思います。(杞憂であって欲しいと願っています。)
人権の自明性に関する議論についてですが、平たく言えば、「議論の本位」をどこに定めるかという話なのではないかと私は考えています。
言うまでもなく、誰にも(財産も教養も国籍も労働力も何も持っていなくても、また例えば国家や社会のために何も役に立つことをしなくても)人には平等に人権が「ある」のだ、という理念は、いつでもどこでも誰にとっても「自明」だったわけではありません。現在ですら、必ずしもそうではない面があると思います。
また、人権の理念自体、長い政治的・思想的な闘争の経緯を経て多くの人々に受け入れられるに至ってはいるものの、むしろ、人々の「常識」や「生活実感」に反していることの方が多いかもしれません。
しかし、だからこそ、人権理念を既に共有していると思われる人々の間では、そうした(反事実的、反常識的ですらある)人権を自明のものとして、いかにしてその実現を図るか(そこには、wackunnpapaさんの仰る諸権利の間の衝突の調整も当然に含まれます)が論じられなければならない、というのが「人権の自明性」の意味ではないかと私は思います。
日本国憲法に基本的人権の尊重が謳われ、個々の諸権利が規定されていることは、少なくとも日本という国が「人権の理念を既に共有していると思われる人々」のコミュニティであること、少なくともそう前提して議論を始めてよいはずであること、を示しているのだと考えます。
無論、そのような社会のもとであっても、ある場面では人権の自明性を疑う議論は必要でしょう。何故人権が自明であるべきなのか、人権が自明でない状態とは何を意味するのか、を改めて考えるためにも。
投稿: kyo_ju | 2008/09/24 22:52
>>id:kyo_juさん
懇切なコメントありがとうございました.
すみません,適当な頃合に再度当blogを見に来ていただけるかな,と勝手に思い込んでいたので,特にIDコールしませんでした.今後,もしまた機会がありましたら,そのときはIDコール差し上げるようにいたします.
このエントリーで「左寄りの全体主義」を取り上げているのは,直接的にはmojimojiさんのブコメでの挑発に乗ったからです.何しろ,僕の「はてなID」間違えてましたし.IDコールされているのに何でメールが届かなかったのかしらん,と見たらID間違ってましたので,訂正してくださいと2度はお願いしているのに,未だにお聞き届けが無い,というのは何たる傲慢か,と怒りよりもガッカリしたことが,このエントリーを上げた主たる動機です.
右寄りの全体主義への危機感はもとよりあります.このエントリーでも日本国憲法改正が現実のものになりかけたことに言及していますが,当時の安倍晋三政権の政治姿勢への疑念は何度かブコメで書いていたかと思います(まだ「安倍晋三」というタグをはてブに残していたかと).そのような右側から全体主義の攻勢に対抗しなければならない左側の言論が,右側のとっている手段と変わらないやり方に見えてしまうのは,如何なものかと思うのです.恐らく,知らず知らずのうちに陥ってしまっているのでしょうが,いささかリップマンの『世論』を読んだり,ナチの歴史を勉強したりした経験のある身としては,hokusyuさんの書き方はプロパガンダそのものであり,「目的は手段を神聖にする」はずがない,と考えてます.しかも,そのやり方は右側に付け入る隙を与えかねないどころか,プロパガンダという手段には右側の方々とも親和性があるだろうに,という疑問さえ感じてしまうのです.
先ほどmojimojiさんの姿勢を「傲慢」と評しましたが,左側の方々の,そのような「間口の狭さ」も気になるところです.随分前から,周囲にも「ストイックな殉教者は危険だよ」と説いているところですが,なかなかわかってもらえません.「純粋」「理想に忠実」「変わらぬ思想」は個人としては美徳なのかもしれませんが,実際に議論
/調整の結節点に立つ人間がこれを振り回したら大変なことになります.日本における左側の退潮の理由のひとつが,その「理想に忠実」が先鋭化したことにあるのは(恐らく)事実でしょう.「不論理院まあまあ居士」が常に正しいとは申しませんが,これが暗殺された浅沼稲次郎のあだ名だったことは,少しく記憶にとどめられてもいいような気がします.
kyo_juさんのコメントの後半部分,「人権の自明性」の部分については同意できますので,僕の懸念は,まずは左側の方々が広く人権を説くための「手段」にあると受け止めていただければ幸いです.右側と同じ手段をとっていたら戦う前から負けだぞ,と.これも古い言い回しですが,もしも市民による「大同団結」を目指すのであれば,もう少し深謀遠慮が必要なのではないでしょうか?
投稿: G.C.W. | 2008/09/26 10:31
「大阪市問題まとめブログ」の件ですが(id:hana53さん,ありがとうございました),当blogを紹介したあちらのエントリーには,直接児童文学館問題への言及はなかったと覚えています.確か「大変オモシロイブログを紹介します」とか何とか書かれて,サイドバーでは部落解放同盟と同じところに入れられました.それ故,右からの左認定と認識はしたのですが.
正直なところ,僕のはてブでは大阪府知事批判を繰り返してはいたものの,当blogでは大阪府へのパブリックコメントとそのまとめくらいしかエントリーしておらず,児童文学館問題なら何ではてブじゃなくてこっちを紹介したのか,今でも真意を掴みかねています.紹介されたあちらの読者もよくわからなかったのか,アクセスは増えたもののそれだけで,他には何も起こりませんでしたし.ただの嫌がらせだったんですかねえ?
投稿: G.C.W. | 2008/09/26 11:36
wackunnpapa様
>懇切なコメントありがとうございました.
いやいや、長文でお邪魔してすいません。
>すみません,適当な頃合に再度当blogを見に来ていただけるかな,と勝手に思い込んでいたので,特にIDコールしませんでした.
>今後,もしまた機会がありましたら,そのときはIDコール差し上げるようにいたします.
言及したからといって、トラバやidコールなどでその相手に通知する「義務」があるわけでは無論ないので、むしろ勝手な希望を述べさせていただいて恐縮です。
今回はメタブでidコールして下さりありがとうございました。
また、右寄りからの「左翼呼ばわり」の概要についてはhana53さんからもブックマークコメントでご教示いただきました。
>このエントリーで「左寄りの全体主義」を取り上げているのは,直接的にはmojimojiさんのブコメでの挑発に乗ったからです.
>何しろ,僕の「はてなID」間違えてましたし.IDコールされているのに何でメールが届かなかったのかしらん,と見たらID間違ってましたので,訂正してくださいと2度はお願いしているのに,未だにお聞き届けが無い,というのは何たる傲慢か,と怒りよりもガッカリしたことが,このエントリーを上げた主たる動機です.
うーん…主たる動機がその点にあるというのは、正直私には理解が難しいです。
mojimojiさんは確かに、
http://b.hatena.ne.jp/entry/10038546
のブックマークコメントでwackunnpapaさんのidを誤記(nnのところをnと記載)されていますが、入力ミスとしては比較的起こり得そうなパターンですし、故意にidコールが飛ばないようにすることやwackunnpapaさんを貶めることを目的として行ったものであるようには、私には到底思われません。
また、その後のメタブコメ等での訂正依頼をmojimojiさんが見ていないのか、見た上で(事実上、既に言及は伝わっているので)訂正不要と判断したのかは判りませんが、idを誤記したことや訂正がなかったことをもってwachunnpapaさんの人格や人権を否定したとまで言うのは、私の感覚では言い過ぎに思えます。
それから、mojimojiさんのブックマークコメントを「踏み絵」と評されていますが、確かにそう取られても仕方ない煽り要素は感じるものの、「踏み絵」にならないような返し方も充分可能だったのではないかと私は思いました。
mojimojiさんはおそらく、wackunnpapaさんのコメントを「ためにする懐疑論」、つまり、人権に対する懐疑論や相対化論を楯にとって、その先の具体的論議に踏み出さない口実にしようとするような議論と読み取ったのではないかと推察します。
これはあくまで、関連する議論を見ていての私なりの推測です。短いブックマークコメントからwacknnpapaさんがそう読み取るのは困難だろうと思います。(と同時に、wacknnpapaさんの短いブックマークコメントからmojimojiさんが真意を十全に読み取るのも困難なことだろうとも思います。)
しかし、何らかの誤解に基づいて批判されているのではないか、との推測はwacknnpapaさんには充分に可能なはずで、誤解であること、主旨は「左側の方々が広く人権を説くための「手段」にある」ことを冷静に指摘するという選択肢もあったのではないか、と愚考しますが、いかがでしょうか。
>右寄りの全体主義への危機感はもとよりあります.(中略)
>いささかリップマンの『世論』を読んだり,ナチの歴史を勉強したりした経験のある身としては,hokusyuさんの書き方はプロパガンダそのものであり,「目的は手段を神聖にする」はずがない,と考えてます.しかも,そのやり方は右側に付け入る隙を与えかねないどころか,プロパガンダという手段には右側の方々とも親和性があるだろうに,という疑問さえ感じてしまうのです.
左寄りの全体主義の危険だけに反応しているのではないかとの点は、やはり杞憂だったようで何よりです。
プロパガンダそのものは、例えば選挙や国民投票や世論調査などで多数を取らねばならないという場面では、左右を問わず必要になるものだと考えますし、実際にも左右関係なく用いられてきたと思います。より普遍的な理念を掲げているはずの左翼であれば、プロパガンダなど用いなくても自然に多数の支持を得られるはずだなどと考えるとすれば、それこそ傲慢な態度だろうと思います。
その留保をした上で言えば、hokusyuさんの当該エントリはプロパガンダとは言えないと私は思っています。もしあれがプロパガンダなら、私が上のコメントで言ったこともプロパガンダになるのではないでしょうか。
もっとも、ブックマークのタグで[あたまがわるい]等々を根拠の提示なく付けること自体は、レッテル貼りであり、印象操作であり、つまりはプロパガンダだ、と指摘することはできるように思います。ソーシャルブックマークを言論活動の一環として認知するという前提が共有されていれば、の話にはなりますが。
>先ほどmojimojiさんの姿勢を「傲慢」と評しましたが,左側の方々の,そのような「間口の狭さ」も気になるところです.
>「純粋」「理想に忠実」「変わらぬ思想」は個人としては美徳なのかもしれませんが,実際に議論/調整の結節点に立つ人間がこれを振り回したら大変なことになります.
>日本における左側の退潮の理由のひとつが,その「理想に忠実」が先鋭化したことにあるのは(恐らく)事実でしょう.
>「不論理院まあまあ居士」が常に正しいとは申しませんが,これが暗殺された浅沼稲次郎のあだ名だったことは,少しく記憶にとどめられてもいいような気がします.
改憲運動への危惧、橋下府政への批判、人権の自明性に対する賛同等から察するに、wackunnpapaさんはどちらかというと「左側」の方に位置しながら、「左側の方々の,そのような「間口の狭さ」」等々を懸念されているように思えます。
しかし、それを理由にして(時として後ろから撃たれることもある)「不論理院まあまあ居士」が「左側」の言論から降りてしまうのでは、それこそ本末転倒ではないでしょうか。
「理想に忠実」で「間口の狭」い左派を切り捨てず、むしろ背後に取り込んだところに浅沼氏の懐の深さがあったのではないか、と、これまた愚考する次第です。
投稿: kyo_ju | 2008/09/26 18:09
>>id:kyo_juさん
何度もお付き合いを頂き恐縮です.
まず,最後の部分(「不論理院まあまあ居士」について)は正直,一本取られました.「やられた!」と.その通りですね.難しいことですけど,努力してみようと思います.
mojimojiさんとは以前にも一度,間口の狭さと取るべき方法に関して「それではロベスピエールだ」と僕がブコメして衝突してます.そのことがお互いに頭に残っているのではないかと,こちらは思っているのですが,何分mojimojiさんの応答が今回は無いので,そのあたりは何とも.こちらは,その延長戦的な感覚だったのですが.
他でもいろいろと聞きますが,ブコメへの応答はやっぱり難しいですね.
それから,「傲慢」云々のことはわかりますが,僕の感覚では「プロパガンダ≒煽動」と「インフォーメーション≒広報」(本当は「啓蒙」という言葉を使いたいのですが,左右を問わずこの言葉は好かれていないようなので取り敢えず「広報」もしくは「宣伝」で代用しておきます)は随分違うのですね.僕がhokusyuさんのエントリーをプロパガンダだと捉えているのは,「人権」を「愛国心」と取り替えても,「自明である」「本当に大切なことに理由は無い」とほぼそのまま右側のヒトのエントリーとして読めてしまうからなんですね.これはちょっと危険なのではないかな,と.kyo_juさんがおっしゃるように,
> プロパガンダそのものは、例えば選挙や国民投票や世論調査などで多数を取らねばならないという場面では、左右を問わず必要になるものだと考えますし、実際にも左右関係なく用いられてきたと思います。
左右ともに使える手法であるのですから,なおさらそのあたりに,もう少し配慮が欲しかったと思う次第です.
いろいろご指摘いただき感謝してます.時間を取らせてしまい,申し訳ありませんでした.
投稿: G.C.W. | 2008/09/27 16:59
たびたびの長文にもかかわらずお返事ありがとうございます。言いたかったことはほぼ伝わったようでよかったと思います。
愛国心については、確かに自明だとか説明不要だという言われ方がされがちですが、人権との違いは、それが特定の人々を排除した所でないと成り立たない(例えば自国内に住む外国人や、愛国心自体や愛国心をよりどころとして主張される何かに違和感を持つ人々)、つまり普遍性を獲得できないところにあるのではないかと思っています。
とはいえ、それはまた別の話かなとも思いますので、今回はこの辺で。wackunnpapaさんの今後のご活躍を祈念しております。
投稿: kyo_ju | 2008/09/28 16:23