ジェフスキ/「不屈の民」変奏曲
ジェフスキ/「不屈の民」による36の変奏曲@ラルフ・ファン・ラート(ナクソス:8.559360)
2007年4月21日・22日の録音.
フレデリック・ジェフスキ(1938-)はUSAの作曲家.恐らくルイジ・ノーノ(1924-1990)とともに,最も共産主義に傾倒している作曲家であろう.1975年に作曲されたこの作品は,1973年にアジェンデ政権下のチリでアジェンデを支持する人々によって歌われたプロテスト・ソング「不屈の民(結束した人々は決して打ち負かされない!)」(こちらを参照)の旋律に基づく36の変奏曲からなる,演奏時間1時間を越える大作.いろいろな作曲技法がごった煮のように放り込まれているらしい.
この手の,時代の影を色濃く背負った音楽は,時を経てその作曲された時代の雰囲気が失われたり,演奏者がその雰囲気を身にまとうことが出来ないと,途端につまらなくなるもので,どうやらこの作品も,その例に漏れないようである.この演奏はよく整理されていて,破綻も無いけれども,作曲家自身の録音や高橋悠治の録音の方が,遙かに面白い演奏が聴けるのではないかなあ(sigh)? と想像できる.
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