シュポーア/クラリネット協奏曲第1番
シュポーア/クラリネット協奏曲第1番ハ短調作品26@エルンスト・オッテンザマー&ヨハネス・ヴィルトナー/スロヴァキア国立フィル(ナクソス:8.550688)
1991年9月19日の録音.
ルイ・シュポーア(1784-1859)はドイツのヴァイオリニスト,指揮者兼作曲家.ベートーヴェンやカール・マリア・フォン・ヴェーバーとも交流があった.何でも,楽譜に書かれる大文字の練習記号を使用した最初の音楽家であったそうな.
演奏家としては,いわゆる神童上がりのヴィルトゥオーゾとして鳴らしたヴァイオリニスト.指揮者としてはフランクフルト歌劇場の監督やカッセルの宮廷楽長などを務めている.作曲家としても当時の一流に数えられ,9曲の交響曲と15曲のヴァイオリン協奏曲を残しているが,今日では忘れられている(先だってヴァイオリン協奏曲の全集がようやく出た).クラリネット協奏曲は4曲が残されているが,こちらはクラリネット奏者のレパートリーとして現在でも時々演奏されるらしい.
その4曲のクラリネット協奏曲は知人のクラリネット奏者,ヨハン・ジーモン・ヘルムシュテット(1778-1846)のために作曲されている.当時の技術では最大級の難曲であったようだが,ヘルムシュテットは猛練習と楽器の改良で,その困難を乗り切ってしまったと伝えられる.
第1番を聴く限り,ヴェーバーのクラリネット協奏曲よりも,僕には親しみが持てそう(相性がよさそう)な音楽である.
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