ヴァレーズ/アメリカ
ヴァレーズ/「アメリカ」@ケント・ナガノ/フランス国立管絃楽団(エラート:8573-85671-2)
1992年ごろの録音.
音楽史上の鬼才のひとり,エドガー・ヴァレーズ(1883-1965)は初期に書いていた作品をほぼすべて破棄してしまい,この「アメリカ」(1918-1922年)以降の,前衛的な作品のみを残した.その作品はどれもこれも,オーケストラからどのような「音響」を引き出せるかを実験しているような音楽ばかりである.この作品でも,ヴァレーズのオーケストレーションは多様な打楽器群のみならずサイレンまで動員して,オケからまばゆいばかりの,信じ難いほど多彩な響きを引き出している.
ナガノの指揮は,さすがに分析的な解釈で鳴らすだけに,ヴァレーズの複雑とも聴こえる音楽の連続を,一種の必然のように聴かせてしまう.見事である.
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