シューベルト/グランド・デュオ
シューベルト/ピアノ連弾のためのソナタハ長調D.812@ヤーラ・タール&アンドレアス・グロートホイゼン(ソニークラシカル:SRCR 1677-1678)
1995年6月26日から30日の録音.
シューベルトの作品は,その早すぎた晩年に向かって大曲であればあるほど,どんどん長くなっていくのだが,1824年に作曲されたこのソナタも長い長い(^^;).全曲を演奏するのに40分かかる(最晩年の作品である連弾曲「人生の嵐」D.947にいたっては17分前後かかる.これが4楽章のソナタだったら全曲演奏するのにどれだけかかったことか).その大きさゆえにたびたび「交響曲の下書き」説が唱えられるが,どうも聴いているとピアノ曲として作られたとしか考えられない技巧がこらされているように聴こえるので,これはやはり原曲のとおりがシューベルトの意図だったのだろう.
規模からすると,理由も無くベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」のようないかめしい音楽だと思われるかもしれないが,シューベルトの連弾曲はほとんどが作曲家と友人が楽しんで弾くことが目的のハウスムジークのようなものであり,この作品もその例に漏れない.翳りはあるがそれほど深刻なものではなく,作品の彩り程度のものにとどまる.全体的に温かみのある,おだやかで明るい作品である.
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