アッターベリー/交響曲第2番
アッターベリー/交響曲第2番ヘ長調作品6@アリ・ラシライネン/フランクフルト放送交響楽団(cpo:999 565-2)
2000年3月6日から11日の録音.
完全に遅れてきたスウェーデンの後期ロマン派/民族派の作曲家クルト・アッターベリー(1887-1974)の交響曲は,前衛全盛の1970年代まではすっかり忘れ去られていたのだが,前衛の時代が終わってグレツキの交響曲第3番がヒットチャートに躍り出る時代になると,そのわかりやすい作風が幸いしてか,復権を果たす.とはいえ,日本で演奏会のレパートリーとして聴くのは,まだまだ難しいかしらん? 何しろ,スウェーデンの特許庁に80歳過ぎまで在職していたということで,生業として作曲をする必要もなく,やりたいように作曲していたひとだったようである.ちなみにスウェーデンの著作権協会の設立にも一役買っているらしい.
交響曲第2番は1911年から1913年にかけて作曲されている.アッターベリーの交響曲は3楽章制を採るものが多いが,この作品も多聞にもれず急-緩-急の3楽章からなる,40分ほどの作品である.柴田南雄がどこかで書いていたように,この曲もホルンののんびりした旋律から始まる.ベートーヴェンとかブラームスを好むひとが聴くとかなり冗長に聴こえそうな音楽だが,大河の流れが奔流のように進む第2楽章から第3楽章はなかなかのもの.疲れた神経に心地よい流れである.
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