「レファレンス・サービスを促す図書館施設計画」ですか(^^;)
レファレンス・サービスを促す図書館施設計画について考えよう - かたつむりは電子図書館の夢をみるか
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20080704/1215189635
min2-flyさんのこのエントリーに付けた,僕のブクマに星が3つも付いているのは,ひょっとして回答を期待されているのかしら(^^;).と,勝手に解釈して回答を書いてみましょう.この回答,どの程度40過ぎの頭が硬くなっているかを確かめる,リトマス試験紙みたいなものかもしれませんね.
問い.
「これからの図書館像」にあるような「レファレンス・サービスの(充実と)促進」を実現するための図書館施設について考えよう
回答.
一応,公共図書館を前提に.
最初に考えたのは,対人サービスとしてのレファレンス・サービスということで,レファレンス・デスクがユーザーの動線上に存在する必要がある,ということ.ユーザーによる図書館員への質問は,わざわざデスクに出向くよりも館内で作業している図書館員へ質問するほうが質問しやすい,という経験則を説くひとが多いことを考えると,図書館内でわざわざ足を向けなければいけない位置にレファレンス・デスクがあるのは適切な配置とはいえないと考えられる.
また,持込と据置とにかかわらずweb端末を利用するユーザーは今後増加することこそあれ,減少に転じるとは考えにくいので,web端末を利用できる設備(電源,有線LANを確保できる机,無線LANなど)は必須になるだろう.また,これは直接施設とは関係無いが,今次の図書館法改正により第三条一項に「電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録」が図書館資料に加えられたことにより,商業データベース,電子ジャーナルの無料提供が公共図書館に求められるのは必定であることから鑑みても,web環境の整備が不用であるはずが無い.
とはいえ,歴史,文学の研究を中心に,資料として紙媒体(活字資料)群が今なお重要な役割を担っている分野があり,また自然科学分野においても何がしかの紙媒体群が「参考図書」として必要であることもまた,ここでくだくだと述べるまでも無く明らかなことであると考える.
個人的には「ハイブリッド・ライブラリー」という機能は,ユーザーがweb資料と紙媒体資料をハイブリッドに使いこなせて(^^;)はじめて成立するものであると考えるので,そのようなユーザーが来館するとすれば,当然web媒体と紙媒体の間を往復しながら課題解決を図る,という行動を示すものと思われる.そこで,web媒体と紙媒体の間にレファレンス・デスクを配置し,ユーザーの動線上にデスクが存在するような施設の配置を考えるのが適当ではないだろうか.
「作業机群」と書いたが,実態は持込・据置双方を含むweb端末のスペースになるだろう(もちろん,紙と鉛筆によるユーザーを排除するものではない).出入口からレファレンス・デスクまでの間に空間があるのも,来館後まっすぐレファレンス・デスクに尋ねてに来るユーザーを想定してのものである.
以上
さて,すっかり硬くなっているか,それとも少しは柔らかなところが残っているか,この頭? 自分では判断できませんわ(^^;).
それにしても,まだ駆け出しの頃(いや,今でも「駆け出し」は駆け出しですか),ある老図書館人から「図書館建築の思想的な寿命は20年がいいとこ」と言われたことが,築40年を超えた建物に勤務していると,実に納得できます(^^;).先日の耐震補強に伴う改装で壁が増えて職員,ユーザーともにますます使いづらくなってしまい,この回答のような施設は夢のまた夢です.ル・コルビュジェじゃないけど,図書館建築の理想は「白い箱」だよな,と思う今日この頃ですよ.
お目汚しでしたm(_ _)m
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