カリンニコフ/交響曲第1番
カリンニコフ/交響曲第1番ト短調@ネーメ・ヤルヴィ/スコティッシュ・ナショナル管絃楽団(シャンドス:CHAN8611)
1987年4月17日から21日の録音.
実は日本初演が戦前の近衛秀麿だったらしい,カリンニコフの傑作.ロシア圏以外ではしばらく忘れられていたフシがあるが,このヤルヴィの録音が(恐らく)嚆矢となってカリンニコフ・ルネサンスが始まったかのごとき感である.今では片手では足りない程度には,録音が出回っているのではあるまいか.
初めて聴いたときから,どこか懐かしい香りのする音楽.はかなげで物悲しく感じるのは,作曲者の悲劇的な生涯とどうしても重ねてしまうから,ますますそのように聴こえてしまうのかもしれない.「ロシアのシューベルト」とでも形容したくなるような類の美しさである.
スヴェトラーノフでもアシュケナージでも,豪快な解釈で振る指揮者の多い中にあって,ヤルヴィの演奏はパワフルな中にもリリカルな味わいを活かした好演.
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