ブックステフーデ/夕べの音楽
ブックステフーデ/ソナタ集@カプリッチョ・ストラヴァガンテ(ドイツ・ハルモニア・ムンディ:88697 281822/15)
1992年ごろの録音.
「北ドイツの巨匠」ディートリヒ・ブックステフーデ(1637-1707)の室内楽作品を集めたアルバム.「ABENDMUSIK」(夕べの音楽)と題されているのは,それがブックステフーデがリューベックで活動していた際に催していた演奏会の名称であり,ブックステフーデは勤務先の聖マリア教会で「ABENDMUSIK」を通じて音楽家としての名声を,リューベックを越えた一帯に広めたとされる.ブックステフーデの名声を伝え聞き,リューベックを訪れてそのオルガン演奏に魅了された音楽家のひとりが,他ならぬヨハン・セバスティアン・バッハであるが,他にも大勢の音楽家がリューベックを訪れている.
なお,ブックステフーデが晩年に作曲した最後の「ABENDMUSIK」は消失してしまったそうで,残された作品にも「ABENDMUSIK」として演奏された確証のある作品はほとんど無いらしく,この録音は研究に基づき(?)復元された「ABENDMUSIK」であるようだ.音楽はいずれも,リューベック奉職後はほとんど旅行らしい旅行もしなかったという「精神の自由人」ブックステフーデの明るく,実直で幾分茶目っ気のある人柄を偲ばせるに足る佳作ぞろいである.
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