ベートーヴェン/交響曲第6番
ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調「田園」作品68@フランツ・シャルク/ヴィーン・フィル(HMV/プライザー:90111)
1928年4月4日と11日の録音.
フランツ・シャルク(1863-1931)は兄のヨーゼフ(1857-1911),フェルディナント・レーヴェ(1865-1925)と並んでブルックナーの「改訂版」を作った,悪名高き「3使徒」のひとり.指揮者としてはヴィーン宮廷歌劇場の総監督を務めるなど各地で活躍し令名も高かったが,フェリックス・ヴァインガルトナーともどもマーラーからは酷評されている.
ここに聴かれるシャルクの演奏は,モダーンでスタイリッシュの権化(^^;).と言っても決して気取っているわけではなく,押し付けがましさの微塵も無い.あまりアンサンブルには注意を払っていないので,ぶっきらぼうにも聴こえる,速めのテンポでサッと一筆書きのような指揮でありながら,随所に細やかなニュアンスを散りばめている,その様式が実に洗練されているのである.実にベートーヴェンが仙人のように感じられさえする,と言ったら言い過ぎか.
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