アレンスキー/交響曲第1番
アレンスキー/交響曲第1番ロ短調作品4@エフゲニ・スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立交響楽団(ヴォックス・アレグレット:ACD8187)
録音年不明.1987年,という資料あり.
アントン・ステパノヴィチ・アレンスキー(1861-1906)はペテルブルク音楽院でリムスキー・コルサコフに師事した作曲家.のちにモスクワ音楽院で教授も務め,スクリャービン,ラフマニノフらを育てている.1895年からはペテルブルク宮廷礼拝堂の楽長に就任したが,早すぎる晩年には私生活が破綻し,酒と賭博に溺れてあたら豊かな才能を潰してしまい,結核を悪化させて亡くなった.
この作品はアレンスキーがペテルブルク音楽院を卒業した直後の1883年に作曲されている,いわゆる「若書き」の交響曲である.第1楽章の低絃の動機が印象的な短い序奏のあとで抒情と哀愁の甘い香りが馥郁たる音楽が展開する.終楽章など迫力にも欠けてはいないが,やはりどこか甘い.
ところがスヴェトラーノフの指揮は何時もながらの大柄かつ豪快な棒(^^;)で,第2楽章の抒情も何だか「大男のデリカシー」という雰囲気.作品の実質以上の大交響曲を聴かされている気分になる.いわゆる「西側」の指揮者とオケによる演奏が比較できるといいなあ,と思う.
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