シューベルト/交響曲ホ長調
シューベルト/交響曲ホ長調D.729(フェリックス・ヴァインガルトナーによる補作版)@ハインツ・レーグナー/ベルリン放送交響楽団(東ベルリン)(ベルリン・クラシックス:0183762BC)
1977年3月,4月と10月の録音.
シューベルトが1821年に,とにもかくにも曲を最後まで書いたのはいいけど,主旋律部のみを残して結局オーケストレーションをせずに放棄した交響曲をヴァインガルトナー(1863-1942)が取り上げてオーケストレーションしたもの.ヴァインガルトナーは「D.759(いわゆる「未完成交響曲」)とD.944を是非録音させて欲しい」とレコード会社に申し込んでいたほどシューベルトに入れ込んでいた指揮者だった(実際には「ロザムンデ」の間奏曲第3番しか録音できなかった).そのためか,このオーケストレーションは音楽学的にはかなり問題のあるモノらしい(第1楽章ではシューベルトが経過句に入れた全休符をすべてカット,終楽章では中間部をばっさりカットしてしまっていること等)が,何故かブライアン・ニューボールトの同じ曲の補作よりも,僕にはシューベルトっぽく聴こえる(^^;).
このまま埋もれさせてしまうのは惜しい「作品」なので,そのうち,別な指揮者による録音も出るんじゃなかろうかと淡い期待を抱いている(^^;).というのも,以前NHK-FMで聴いたことのあるケネス・モンゴメリーという指揮者の演奏に比べてこの録音は,レーグナーの解釈でオーケストレーションのバランスとテンポがかなり変えられているんじゃないか,という疑いを抱いているもので,それを確認したいという思いもあるのね.でも,シューベルトの交響曲への補筆版は,学問的正当性の点でニューボールト版が優勢だからなあ(sigh).
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