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2008/04/08

スクリャービン/ピアノ協奏曲

スクリャービン/ピアノ協奏曲嬰へ短調作品20@アナトール・ウゴルスキ&ピエール・ブーレーズ/シカゴ交響楽団(DG:POCG-10164)

 1996年12月の録音.
 スクリャービン(1872-1915)唯一の「ピアノ協奏曲」と銘打たれた作品である.1896年ごろから作曲された,スクリャービンの初期にあたる時期の作品で,短い序奏からピアノが神秘的に登場するあたりは如何にもロシアのピアノ協奏曲の伝統をくんでいるように聴こえる.後期の狂おしげなまでに官能的な動機やオーケストレーションは,まだここでは顔を出していない(^^;).むしろショパン風の雰囲気を漂わせるような旋律さえ聴くことが出来る.ピアノが前面に出すぎてオケが霞みがちではあるが,ラフマニノフとは多少路線は異なるものの,なかなか絢爛豪華な音楽である.

 さすがにピアノが前面に押し出される音楽だけに,ウゴルスキのピアノが情感たっぷり(と言っても昔のヒトのようなズブズブの情感ではなく,もう少しさらっとした感じではある)にスクリャービンを歌い上げると,それに引っ張られるように,ブーレーズがマーラーの録音とは別人のような(^^;)情感溢れる(あくまでブーレーズにしては,という枠内にとどまるけど)指揮を展開している.

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コメント

この曲、超好き! 「ロシアっぽいショパンの続き」みたいな感じ(笑)。正直、この路線のピアノ協奏曲をあと数曲、書いて欲しかったとです。

>>ふみおさん

そうか,スクリャービンの次の「ピアノ協奏曲」っぽい作品は「プロメテ」になってしまうんですねえ(^^;).

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