バラキレフ/交響曲第1番
バラキレフ/交響曲第1番ハ長調@エフゲニ・スヴェトラーノフ/フィルハーモニア管絃楽団(ハイペリオン:CDA66493)
1991年3月15,16日の録音.
バラキレフ(1837-1910)はご存知ロシア5人組の総帥的立場にあった作曲家だが,他人にはやたらと作曲を勧めた(リムスキー・コルサコフにはいきなり交響曲を作曲させたり,チャイコフスキーには「マンフレッド」を素材に作曲させたり)わりには,元々アマチュア作曲家として出発したことや,一時期音楽をやめていたこともあって当人の作品はそれほど多くも無く,また人口に膾炙している作品もあまり無い.
この交響曲第1番は1864年に作曲が始められたものの,30年余り作曲が中断されてしまい,結局完成は1897年になる.何と後輩のチャイコフスキーの交響曲作品の作曲年代(1866年から1893年まで)がその間にすっぽり挟まってしまう(^^;)(おまけにバラキレフの作品が完成したとき,チャイコフスキーは既にこの世の人ではなかった!).何ともノンビリした話だが,作曲期間の長さに相応しく(?)この作品は演奏時間が45分ほどのはずなのに,聴いていると何時終わるとも知れぬ,実態以上の長さを感じさせる.聴きとおすのに,多少の忍耐を必要とするひとがいるかもしれない.
ここでのスヴェトラーノフの指揮は,力任せになることを抑えた,堅実かつ献身的なもの.ロシアで学んでいない旧・西側出身の指揮者には,まだまだこのようにバラキレフを振るのは難しいかも,と思わせるに足る演奏である.
« リヒャルト・シュトラウス/管楽合奏のための組曲 | トップページ | ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 »
「今日のBGM」カテゴリの記事
- 「わかりやすさ」とは(2010.07.06)
- 玲瓏な(2010.07.04)
- アマデウスの影(2010.06.30)
- 心を音に載せるテクニック・・・・・・(2010.06.29)
- インテルメッツォ(2010.06.26)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント