ショスタコーヴィチ/交響曲第6番
ショスタコーヴィチ/交響曲第6番ロ短調作品54@クルト・ザンデルリンク/ベルリン交響楽団(ベルリン・クラシックス:0021812BC)
1979年4月の録音.
やはりザンデルリンク(1912-)の振るショスタコーヴィチに言及しない,ショスタコーヴィチの演奏論は信用できない(^^;).1,5,6,8,10,15の各曲がスタジオ録音で残されているが,いずれも古典的かつ重厚な造形と透明なテクスチュアを兼ね備えた好演である.個人的には8番と15番が特に名演だと思うが,この6番も第1楽章の暗さにおいて,他の追随を許さない.何処までも悲劇の淵に追い込んでいくような演奏を展開する.それに対し,後半2楽章(この作品は3楽章制をとる.その並べ方は,いわゆる「序破急」と言われるものに近い)の底抜けな明るさが嫌が応にも対応される.
この作品,作曲された時期や,5番と7番の間の作品ということで,その曲調がどこか謎めいて語られることが多いようだが,案外作曲家は余計な掣肘も感じずにノビノビと自発的に第1楽章や第2楽章を(このこと自体が,明るい作品を書いたことを意味しないことは勿論である)作曲していたんじゃないかと.それ故に,終楽章で自制が働き,曲調がどこか「強制された歓喜」を思わせる結果を招いたのかもしれない.
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