ブルックナー/交響曲第3番
ブルックナー/交響曲第3番ニ短調@オイゲン・ヨッフム/シュターツカペレ・ドレスデン(EMI:5 73905 2)
1977年1月の録音.ノヴァーク第3稿(1888-1889年版)による.
ブルックナーの交響曲では,最も箴言風で哲学的な色合いを帯びている作品と見ていいと思うが,それ故に理解が難しい音楽である.僕個人も,ブルックナーなら第1番,第5番や第7番の方が3番よりも好みだったりする.
ブルックナーの交響曲中,異稿の多いことでも知られるのは,この作品が何か難しいことを語っているように聴こえるために,周囲が理解しようにも理解できなかったからではないかしらん(^^;).それでなくとも,ブルックナーの交響曲は当時のプロフェッショナルの耳をも超えた次元で作曲されていたと思われるし,ブルックナーというひとがまた,この作品のような哲学的箴言から程遠い(失礼)雰囲気を醸し出す人間だったらしいことが,その理解し難さに拍車をかけていたと思われる.
ヨッフムの指揮は,とにかくブルックナーを生地のまま聴き手に聴かせ届けようという,ある意味禁欲的なもの.録音のためか,オケのためか,割に派手目に聴こえるが,この程度にはガンガン鳴らしてもらった方がブルックナーらしいのかもしれない.
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