それはダブスタです,委員長!
【京都新聞 - 児童書全点購入は継続 滋賀県立図書館、開始20年で20万冊に】
滋賀県立図書館が1988年から児童書の「全点収集」を実施していたことを,不勉強なもので,この記事を読むまで全く知りませんでした(^^;).1988年は僕が就職した年で,まだ何処の団体にも加入していなかったからなのか,勤務先で購入している「図書館雑誌」を読んでいる暇も無いほど仕事で覚えることが多かったのか,当時のことはよく覚えていませんが,とにかく僕としたことが張り巡らしていたはずのアンテナに穴があったのは大変残念です.だから2006年6月に大和市立図書館の「児童書すべてそろえます」が話題になったとき,日図研や図問研が批判しなかったんですね.前川恒雄の息のかかっている滋賀県立図書館の真似事を,彼らが批判できるはずが無いのでした.やれやれ(sigh).
まったく,滋賀県立図書館の「全点収集」のことを知っていたら,大和市立図書館のこともさることながら,1991年に「みんなの図書館」170号に掲載された伊藤昭治「浦安市立図書館の特定中小出版社の徹底収集についての疑問」について,あのとき,もう少しまともな攻撃が出来たものを,こちらの戦術ミスであたら機会を潰してしまったこと(某誌に提出した原稿が1年店晒しにあった挙句に掲載されずに終わった)が悔やまれます.1991年当時でも,僕の周囲で滋賀県立図書館の「全点収集」について語られていた記憶は無いのですが,「全点収集」という言葉を図問研や日図研関係者が使用していたこと(浦安市立図書館についても「全点収集」と言い換えていた)を疑問に思った時点で,その元ネタを探すべきでした.あー情けない!
僕の考えるところ,「児童書」の全点収集が可で,「特定中小出版社の徹底収集」が不可とされるのは,現在はおろか,1988年なり1991年なりの時点で考えても,「ダブルスタンダード」の謗りは免れ得ないですね.京都新聞の記事で滋賀県立図書館は
とコメントしていますが,「絶版になる周期が短く」なっているのは人文・社会科学でも同じことですよ.何しろ昨年(2007年)リクエスト復刊された岩波文庫のヒューム『人性論』の第1巻が昨年中に品切れになり,現在では入手できない有様ですからね.
「児童書は絶版になる周期が短く、その時代に出版される本を責任を持って収集し、保存していきたい」
僕の記憶に錯誤が無ければ,1990年ごろには既に人文・社会系の書籍も出版すら困難であることが囁かれ始めていた覚えがあり,助成金が無ければ出版できない専門書の状況が語られ始めていたはずです.現在では,例えば1000部を印刷し長期間をかけて販売し利潤を回収する,といった態の専門書出版の販売モデルは一部の出版社を除いて機能していないんじゃないでしょうか.社会科学系のある出版社が,やたらと大学の名前を冠したシリーズ物を出すのは,そのモデルの代替として大学からの助成金で出版を続けている実態を反映していると思うのですが,このあたりを図書館業界はどう考えているのでしょうね.
・・・・・・しかし,17年も遠回りさせられたのが,身から出た錆とはいえ,ただただ,ただただ悔しいです.これがために,反知性主義者や学級会民主主義者から嘲られ,あなどられることになったのですから・・・・・・.
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