J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001-1006@ルドルフ・ゲーラー(アルテ・ノヴァ:74321 67501 2)
1997年7月の録音.
普段聴いているこの作品と何処と無く異なってこの演奏が聴こえるのは,オルガニストで古楽復興の初期の担い手のひとりでもあったアルベルト・シュヴァイツァー(もちろん,あの「密林の聖者」シュヴァイツァーである)が考案した「バッハ弓」を用いた演奏だから.「バッハ弓」とは,この作品に頻出するポリフォニックな4和音を弾きこなすためには,特殊な弓が使われていたに違いないというある種の思い込みから生み出された,ほとんどこの作品のためだけに「復元」されたヴァイオリン用の弓のことである.故にこの録音では,4和音の箇所で通常使用される前打音風のアルペジオはまったく聴こえてこないため,常の演奏とはいささか様相を異にする演奏がここでは聴ける,というわけである.
生憎「バッハ弓」はバッハ時代の音楽に対する研究の進展とともに,その時代における存在が全く否定されてしまったが,何故か今度は現代の作曲家が「バッハ弓」に目を付けて,この弓を用いた作品を書いているというのだから,世の中何処に幸運がころがっているかわからない(^^;).
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