ショスタコーヴィチ/交響曲第14番
ショスタコーヴィチ/交響曲第14番「死者の歌」作品135@ヘルベルト・ケーゲル/ライプツィヒ放送交響楽団(ヴェイトブリック:SSS0040-2)
1972年3月28日のライヴ録音.初演から約3年後の演奏,ということになるか.
ショスタコーヴィチが採用したテキストの,原語に基づくと思われる歌唱によるのが,ロシア語の歌唱に慣れている耳には聴きづらいが,ケーゲルの解釈はそれこそ地獄の釜の蓋を開けて覗き込んでいるような趣きがある.非力なオケの絃とアンサンブルが崩壊しかかっている箇所があることが,その印象に輪をかけている.ライヴ故の事故,で片付けられるレベルじゃない.何しろ独唱とオケの,縦の線が合ってないところさえあるのだから.
それでも,この演奏から感じられる,もはや後が無い断崖絶壁に立っているような虚無感は,やはり只事ではないと思われる.このフィナーレには,「語りえぬものには,沈黙せねばならない」のかもしれない(sigh).
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