諸井三郎/交響曲第2番
諸井三郎/交響曲第2番作品16@山岡重信/読売日本交響楽団(ビクター/タワーレコード:NCS608-609)
1972年7月の録音.
1937(昭和12)年から38年にかけて作曲され,1938年10月12日,ヨーゼフ・ローゼンシュトック指揮の新交響楽団により初演された.初演後久しく演奏されず,このレコーディングが2回目の演奏であったそうである(柴田南雄執筆のCD解説による).諸井三郎(1903-1977)の交響曲は先般,重厚晦渋な第3番作品25の録音が世に出ているが(ナクソス:8.557162J),この作品も第3番ほど晦渋ではないにせよ,内省的で重厚でマックス・レーガーを思わせるような重苦しさを漂わせる音楽が展開される.「闘争から勝利へ」というよりも「闘争に次ぐ闘争」という雰囲気なのは,やはり満洲事変からこちらの世界大戦の時代の反映でもあろうか.
演奏は,手堅く作品を音にしてみました,というところだが,それでもこの作品の重苦しさや時代の苦悩は充分に伝えることが出来ていると思われる.いい演奏である.
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