「編集」力の不在について
「みんなの図書館」2008年4月号(372号)届く.特集は「神奈川の図書館」,多少イデオロギッシュなところはあるが,思ったよりも良い内容.「貸出サービス」を大々的に取り上げた文章も,そもそも未開の地に公共図書館のサービスを届けていく話であり,公共図書館未開の地を開拓するために貸出(「貸出し」ではない)が利用できるのは当然なので,僕の批判するところではありません.
ひとつ,気になったのは特集のあとに続く「展示のチカラ」(一戸町立図書館職員一同)という文章.いや,文章そのものの内容ではなく,この号での扱い方がわかりにくい,ということ.確かに「みんなの図書館」では毎号掲載されるクロスワード・パズルが特集と,その他の話題(文章)の区切りを務めているのは,毎号読んでいるひとならわかるだろうけど,例えば初めてこの号で「みんなの図書館」を手に取ったひとに,それがわかると思います? 「みんなの図書館」を10年以上読んでいる僕でさえ,最初は「一戸町立図書館って神奈川の図書館なのかな?」と,とまどってしまったほど.ちなみに,「展示のチカラ」自体には一戸町立図書館の所在地等の記載は無く,最後にあるサイトのURLを見て,ようやく岩手県の公共図書館かと得心がいった次第.
こーゆう場合は,もう少し親切な編集が求められると思うのだが如何です? 当方,常々「みんなの図書館」については,編集者が出しゃばり過ぎることに苦言を呈してきたが,だからといって編集者の構成能力が必要なところまで手を出すな,とは言ってない(^^;).このケースでは,提出された文章に当該図書館の地理上の場所を示す一文を冒頭に挿入するように校正をかけるとか,編集で導入部を作成して一戸町立図書館の紹介をするとか,やり様があるはずなんですよね.
もっともこの4月号,毎号必ず掲載されていた図問研の活動報告さえ掲載されていないほど切羽詰ったところで編集されているようなので(^^;),あまり多くを求めるのは酷なのかもしれないけど,いささか誤解を招きかねない編集が行われているのは事実なので,取り急ぎ指摘しておきます.せっかくの良い内容がもったいないですよ.
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コメント
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切羽詰ってるらしいですよ、本当に。
会員は1000人を切ったそうです。
あ、名前と引っ掛けたシャレではなく本当にそうなったそうです。
念のため。
投稿: 仙人 | 2008/03/23 20:53
>>仙人さん
いや,どう答えたらいいか迷っているうちに時間がたってしまいまして,返事が遅れました.失礼m(_ _)m
そんなに切羽詰っているから,最近某所で多幸症のような,はしゃぎっぷり(^^;)を見せているんですかね,あの方々は.ますます,新興宗教じみてきてますね.
これから,どうするつもりなんだか.
投稿: G.C.W. | 2008/03/31 19:29